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国宝-工芸|梵鐘[円覚寺/神奈川]

国宝DB-工芸

円覚寺のこと

円覚寺は、鎌倉幕府の執権であった北条時宗が宋より招いた禅僧「無学祖元(むがくそげん)」によって、弘安5年(1282年)開かれた。 鎌倉五山の第2位で臨済宗円覚寺派の大本山。 梵鐘の他に、禅宗様を代表する建築『舎利殿』が、国宝に指定されている。

円覚寺/神奈川県鎌倉市

国宝『円覚寺 梵鐘』

国宝の『梵鐘』は、北条時宗の子で後に第9代執権となる「北条貞時(ほうじょうさだとき)」が、正安3年(1301年)に寄進したもの。 建長寺の国宝『梵鐘』や、常楽寺の重要文化財の梵鐘と共に「鎌倉三名鐘」に数えられる。

梵鐘は現在、山門や仏殿から東の高所にある鐘楼にかけられており、洪鐘と書いて「おおがね」と読む。 「円覚寺鐘、正安三年八月、大檀那平貞時、住持宋西潤子曇、大工大和権守物部国光在銘」と入っており、銘は西潤子曇が選び、鋳物師の物部国光により作られたことがわかる。 西潤子曇による銘は「皇帝万歳 重臣千秋 風調雨順 国泰民安」 と入っている。

鐘の鋳造がうまくいかず、江ノ島の弁財天に7日間参詣すると夢のお告げを得、その通りに池の底を掘ると金銅の塊が見つかり、それで鋳造したのがこの鐘だという伝承があり、鐘楼の向かいには弁天堂が建てられている。

国宝『梵鐘』円覚寺/神奈川県鎌倉市
国宝『梵鐘』円覚寺/神奈川県鎌倉市

円覚寺の拝観情報

住所:神奈川県鎌倉市山ノ内8
時間:8:00~16:30(12~2月は~16:00)
料金:大人¥300、小人¥100
アクセス:JR横須賀線「北鎌倉駅」徒歩約1分
アクセス/バス:JR「鎌倉駅」江ノ電バス「大船駅」「上大岡駅」「本郷台駅」行き乗車「北鎌倉駅」下車徒歩1分
他の国宝:『舎利殿』※公開日限定
公式サイト:https://www.kenchoji.com/

円覚寺のイベント

座禅会

暁天座禅会「仏殿」
毎日(1/1~1/7、10/1~10/5、行事日は休み)
AM6:00~7:00(初回のみ10分前に集合で説明あり)遅刻不可

日曜説教座禅会「大方丈」2・4日曜日AM9~11時
日曜座禅会「大方丈」1・3・5日曜日AM8~10時(年末年始・8月休)
土曜座禅会「居士林」年末を除く毎週土曜日 持ち物・注意あり

除夜の鐘

僧侶が撞くのを近くで聞くことが出来る。
僧堂でも鐘が撞かれ、そちらは一般でも参加可能。4名程度1組で整理券制。

その他の円覚寺の国宝

文化財指定データ

【台帳・管理ID】 201-416
【指定番号】00123
【種別】工芸品
【指定名称】梵鐘
【ふりがな】ぼんしょう
【員数】1口
【時代・年】鎌倉時代・正安3年(1301年)
【寸法・重量】総高259.1cm、竜頭高54cm、笠形高15.7cm、肩以下189.4cm、口径142.4cm
【品質・形状】 鋳銅製。大きく肩を張った笠形の上に偉容ある竜頭を据え、鐘身は力強く張りを見せている。上帯には飛雲文、下帯は唐草文を流暢に鋳出している。形状各部の比例は鎌倉の典型的な姿を示している。乳は六段六列で、法量に相応しい大きいものを配し、銘文は池の間四区に陰刻するが、第二区と第四区の大文字は籠字になっている。
【ト書】円覚寺鐘、正安三年八月、大檀那平貞時、住持宋西潤子曇、大工大和権守物部国光在銘
【所在地】神奈川県鎌倉市山ノ内409
【所有者】円覚寺
【重文指定日】1909.04.05
【国宝指定日】1953.11.14
【説明】本鐘は、北条貞時の時に造られ、銘文は西潤子曇が撰し、物部国光が鋳造したことが銘文から分かる。建長寺の鐘と共に、鎌倉時代梵鐘の双璧と称すべきものである。当期関東の大鋳物師物部氏の代表作ともいえ、雄健な中地を完全に発揮した堂々たる風格をもつ大鐘である。
物部国光は、他に弘安九年小網寺、正応五年相模国分尼寺、永仁六年武蔵東漸寺、正安三年武蔵称名寺などの鐘を鋳ている。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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