国宝『金銀鍍龍首水瓶』
明治11年に法隆寺から皇室に献納された宝物の中の1点で、現在は東京国立博物館所蔵。 50cmほどの銅製の水瓶に金銀メッキがされており、唐など外国産とされてきたが、近年の調査では日本で作られた可能性が高いと考えられている。(国宝登録は唐で作られたと登録されている)
水瓶の口・蓋部分は竜の顔が細工されており、竜の体部分は長い取手になっていて鱗のような模様が彫られている。 竜の目に嵌められているのはガラス。 胴体部分にはペガサスが彫られており、水瓶の形などもペルシャなどの影響を感じる。
この国宝を観るには
東京国立博物館の法隆寺宝物館で常設展示されている。(他館や特別展で観られない場合あり)
館外での公開
2025/4/19~6/15 奈良国立博物館「超・国宝-祈りのかがやき-」
法隆寺宝物館で常設展示されている国宝
国宝『灌頂幡』
国宝『海磯鏡』
国宝『竜首水瓶』
国宝『鵲尾形柄香炉』
国宝『墨台』『水滴』『匙』
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-536
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00240-00
【種別】工芸品
【指定名称】金銀鍍龍首水瓶〈/(法隆寺献納)〉
【ふりがな】きんぎんとりゅうしゅすいびょう
【員数】1口
【国】中国
【時代・年】唐時代
【寸法・重量】総高49.8cm、胴径18.5cm、頭径3.1cm、底径11.3cm、重量3.41kg
【国宝指定日】1964.05.26
【説明】明治11年法隆寺から皇室に献納された宝物類(法隆寺献納御物の名で親しまれ、正倉院の宝物と並び称されている)の中に含まれているものである。大形の水瓶で、蓋と口は竜の首を、そして把手は竜身をかたどり、ゆたかに下方にふくらんだ胴部には、向かい合って足掻く翼馬を前後一組ずつ線刻する。また竜の眼に緑の吹玉を入れるなど、意匠にすぐれ、技法も精妙をきわめ、かつその形姿も秀でて、まさに水瓶中の王者といいうる傑作である。
鑑賞ログ
2019年1月
東京国立博物館 法隆寺宝物館
法隆寺宝物館にいつも展示しいてある1品。 胴体のペガサスなんかはかなりエキゾチックで、これが飛鳥時代の日本で作られたかと思うと当時の人達の柔軟性はすごいなと思います。
2019年10月
この秋は、御代替わり記念の特別展で、東博で正倉院展が開かれます。 正倉院展といえば奈良博ですが、正倉院宝物は数量がかなりあるので、同時開催されています。 東博の正倉院展は非常に東博らしく、法隆寺の宝物と比べたり、復元や保存の動画を流していたり、とても充実の展覧会でした。
法隆寺宝物との比較が多く展示されていたので、法隆寺宝物館から国宝の何点かが、展覧会に出張しています。 普段は、ひっそりと佇んでいる国宝たちが、この特別展ではものすごい人だかりになっています。 龍首水瓶に超絶モテ期到来で、親心的にうれしく感じました。