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国宝-書跡典籍|三十帖冊子・冊子箱[仁和寺/京都]

国宝DB-書跡・典籍

国宝『三十帖冊子』

唐へ留学した空海は、真言八祖の1人「恵果」に師事し、経典や教義をこの『三十帖冊子』に書き留めた。 書写は空海以外の写経生なども行っており、20名を超える筆跡が含まれる。 現存するのが30帖なので「三十帖冊子」と呼ばれるが、目録には38帖あったことが記されている。

写経生による書写部分は、楷書の非常に小さな文字で書かれ、空海による自筆はそれよりもやや大きいが、現存する空海自筆の『風信帖』などと比べると細かい字で書かれている。 写経生と空海以外にも、空海と共に唐に渡った橘逸勢の筆跡もあり、橘逸勢は空海と共に「三筆」の1人とされる。 小型の冊子で、空海は手元に置いていたと伝わる。

国宝『宝相華迦陵頻伽蒔絵冊子箱』

三十帖冊子を入れるために平安時代に制作された箱で、工芸品だが三十帖冊子と共に種別「書跡・典籍」として同時に国宝指定を受けている。 空海(774~835年)の没後に散逸を防ぐため、延喜19年(919年)に醍醐天皇がこの箱を下賜して東寺へ納められたが、その時点ですでに30帖になっていた。 高倉天皇の兄で仁和寺の門跡となていた守覚法親王によって、仁和寺へ移された。

長方形でかぶせ蓋になっており、サイズは縦37.0cm、横24.4cm、高8.3cm、黒漆に金銀箔が施されている。 中央に縦書きで「納真言根本阿闍梨空海 入唐求得法文冊子之筥」と2行で書かれ、その周囲を迦陵頻伽や宝相華(花模様を組み合わせた唐草模様)が研出蒔絵で飾られている。

国宝『宝相華迦陵頻伽蒔絵冊子箱』の伊東貞文による模造

この国宝を観るには

寺外での特別展への出展や、仁和寺の霊宝館で公開されることがある。

公開履歴

2024/4/13~6/9 奈良国立博物館「空海 KUKAI」2・4・20・27・冊子箱
2023/9/23~12/3 仁和寺 霊宝館「秋季名宝展」
2023/4/22~5/21 香川県立ミュージアム「空海
2023/3/18~5/7 仁和寺 霊宝館「春季名宝展」
2021/7/24~9/12 京都国立博物館「京の国宝」15・16・26・29・冊子箱
2020/12/19~2021/1/31 京都国立博物館「文化財修理の最先端」1・8・14・20帖
2020/9/19~12/6 仁和寺 霊宝館「至宝- 国宝三十帖冊子」
2020/4/28~6/21 京都市京セラ美術館「京の国宝※中止

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-584
【指定番号】00038-01
【種別】書跡・典籍
【指定名称】三十帖冊子
【ふりがな】さんじゅうじょうさっし
【員数】30帖
【時代・年】平安時代
【所有者】仁和寺
【国宝指定日】1951.06.09

【台帳・管理ID】201-585
【指定番号】00038-02
【種別】書跡・典籍
【指定名称】宝相華迦陵頻伽蒔絵〓冊子箱
【ふりがな】ほっそうげかりょうびんがまきえそくさっしばこ
【員数】1合
【時代・年】平安時代
【附指定】行遍僧正消息1巻、三十帖策子々細1巻
【所有者】仁和寺
【国宝指定日】1951.06.09

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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