国宝『宋版毛詩正義』
儒教で重要視され日本でも広く学ばれた「四書五経」の五経に数えられる中国最古の詩集が詩経で、「詩」とだけ呼ばれる事もある。 元は孔子が歌謡などを集めたものだが、孔子が編纂したものはすでに失われており、現在伝わる詩経は漢時代の「毛亨(もうこう)」「毛萇（もうちょう）」によって伝えられたもので「毛詩」と呼ばれる。
唐の太宗皇帝は、学者の孔穎達（くようだつ）らに命じて五経の注釈書「五経義訓」を編纂させ、後に「正義」と改称した。 木版印刷の技術が発達した宋時代に出版されたもので、かつては金沢文庫の所蔵であり、現在は17冊が伝わっている。
この国宝を観るには
所有している武田科学振興財団には、大阪に杏雨書屋という貴重な書物を集めた施設があるが、常設展示で公開されるのは貴重書の複製であることが多い。 杏雨書屋での特別展示や展覧会への貸し出し等で観られることがあるが、機会は少ない。
公開履歴
2023/10/28～12/1 杏雨書屋「杏雨書屋の善本漢籍」
武田科学振興財団の国宝
説文木部 残巻［書跡・典籍］
宋刊本史記集解［書跡・典籍］
宋版毛詩正義（金沢文庫本）［書跡・典籍］※このページ
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-593
出典：国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00050
【種別】書跡・典籍
【指定名称】宋版毛詩正義〈紹興九年刊／（金沢文庫本）〉
【ふりがな】そうはんもうしせいぎ
【員数】17冊
【国】中国
【時代・年】1139年
【所有者】武田科学振興財団
【国宝指定日】1951.06.09
