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春秋経伝集解[藤井斉成会有鄰館/京都]

国宝DB-書跡・典籍

春秋経とは

中国の春秋時代(紀元前770年~紀元前403年)を記した歴史書で、後に孔子が編纂し、春秋経として四書五経の1つに数えられる。 この春秋時代という名称は、後年に成立した春秋経からとられた名称である。

春秋経を補ったり解釈したりするための注釈書として「公羊伝」「穀梁伝」「左氏伝」が「春秋三伝」と呼ばれ、王朝や時代によって公とされた伝も変わっている。 春秋経は単体としては現存せず、この三伝によって後世に伝わるが、春秋経については差がある。

国宝『春秋経伝集解』巻第二残巻

三国時代から西晋にかけての武将で学者でもあった「杜預」が、春秋経と春秋左氏伝とをあわせ、更に注釈を施して「春秋経伝集解」を作った。 唐時代には春秋学の教科書に採用され、日本にも奈良時代には伝わっていた。

現在、4件の春秋経伝集解が国宝に指定されているが、中国で書写されたものはこの断簡のみで、東洋文庫所蔵の『春秋経伝集解(巻第十)』など他の3件は日本で写されたもの。 巻第2の断簡で、途中に抜けている部分もあるが、紙背に書かれた「雙林善慧大士小録」に承暦2年(1078年)の銘があるため、この頃には現在の姿になっていたと考えられる。

藤井斉成会有鄰館

滋賀県出身の実業家「藤井善助」氏がコレクションした東洋美術と日本美術の私設美術館「藤井斉成会有鄰館」は、大正15年(1926年)に設立され、定日の一般公開が続けられている。 中国の大学で学んだ善助氏は、中国美術に造詣が深く、古代青銅器、書画、仏像と幅広く蒐集し、本館に東洋美術を、第2館には日本美術を展示している。 

武田五一設計の本館は、屋上に八角堂を乗せる中国風の建築、本館の奥に建つ第2館は洋風の木造建築で、2館とも京都市の登録文化財に指定されている。

藤井斉成会有鄰館 本館
藤井斉成会有鄰館 本館
藤井斉成会有鄰館 第2館

この国宝を観るには

有鄰館の開館は月に2日間のみで、5月と11月の開館日には文化財に指定された書画が公開される。

開館日:第1・第3日曜日(1・8月は休館)
時間 :11:00~16:00
料金(本館):一般¥1,000、高校生以下¥800
料金(第2館):一般¥600、高校生以下¥600

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-630
【指定番号】00091-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】春秋経伝集解巻第二残巻
【ふりがな】しゅんじゅうきょうでんしっかいまきだいにざんかん
【員数】1巻
【国】中国
【時代・年】唐時代
【ト書】紙背雙林善慧大士小録
【所有者】藤井斉成会有鄰館
【国宝指定日】1952.03.29

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

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