国宝『古林清茂墨蹟(月林道号)』
古林清茂(くりんせいむ)は中国・元時代の禅僧で、竺仙梵僊や了庵清欲など多数の弟子を育てた、名僧である。 日本からの入元僧も多く参禅しており、公家の久我家出身で花園天皇の帰依を受けていた「月林道皎(げつりんどうこう)」も元に渡り、古林清茂に参禅し「月林」の道号を授かった。 後に古林清茂から法嗣とされ、文宗皇帝から大師号を贈られるが日本に帰国し、長福寺を禅寺に改めて開山となった。
この墨蹟(禅僧の書)は、古林清茂が「月林」の道号を与えた泰定4年(1327年)の書で、帰国した月林道皎が住持となった長福寺に伝来している。 古林清茂から月林道皎に与えられた墨蹟は、重要文化財の「古林清茂墨蹟(与月林道皎偈)」が、徳川家康の形見分けである駿府御分物として尾張徳川家に伝わっている。 古林清茂の墨蹟では、入元僧の別源円旨に与えられた『送別偈』が国宝に指定されている。
この国宝を観るには
京都国立博物館に寄託されており、同館で数年に1度は公開される。
公開履歴
2022/11/8~12/4 京都国立博物館「京に生きる文化-茶の湯-」
2021/6/5~7/4 京都国立博物館「オリュンピア×ニッポン・ビジュツ」
2017/10/3~10/15 京都国立博物館「国宝」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-685
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00164-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】古林清茂墨蹟〈月林道号/泰定四年三月望日〉
【ふりがな】くりんせいむぼくせき
【員数】1幅
【国】中国
【時代・年】1327年
【所有者】長福寺
【国宝指定日】1953.03.31