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国宝-書跡典籍|大毘遮那成佛神変加持経(吉備由利願経)[西大寺/奈良]

国宝DB-書跡・典籍

国宝『大毘遮那成佛神変加持経』

聖武天皇に重用された吉備真備の娘(妹説もある)吉備由利は、自身も女官として出仕し、称徳天皇(孝謙天皇の重祚)の信頼を得る。 この経典は、吉備由利が天平神護2年(766年)に、称徳天皇のために発願した一切経の一部。 「大毘遮那成佛神変加持経」は、別名の「大日経」が有名で、密教の胎蔵界曼荼羅はこの経典によるもの。

一切経は西大寺の四王堂に納められ、当初は5282巻あったが、現在は複数の所有者に分かれて現存するものもある。 黄蘗に染められた楮紙(こうぞがみ)に、淡墨で界線を引き、大ぶりの字で写経されている。 後年(平安時代~戦国時代)に何回か、経典を読むためのヲコト点や墨書が書き入れられている。

西大寺には、同時期の奈良時代後期に「百済豊虫」が願主として奉納した『金光明最勝王経(百済豊虫願経)』があり、国宝に指定されている。

参考:重要文化財「等目菩薩経(吉備由利願経)」東京国立博物館蔵

西大寺のこと

天平神護元年(765年)に、称徳天皇の勅願によって鎮護国家を祈念して建立された。 平城京の西にあり、創建当時は東大寺と並ぶ大寺院だったが、都が京都に遷り、度々の火災も重なり、寺運が衰退する。 鎌倉時代に叡尊によって真言律宗の寺院として再興されるが、文亀2年(1502年)の火災で伽藍の大半を焼失したため、現在の建築物は江戸時代以降のもの。

西大寺

この国宝を観るには

一部(または全部)は、奈良国立博物館に寄託されているようで、通常展で数年に1度は展示される。

公開履歴

2024/4/13~6/9 奈良国立博物館「空海 KUKAI
2021/2/16~3/21 奈良国立博物館「名品展(通常展)」
2019/12/7~2020/1/13 奈良国立博物館「名品展(通常展)」
2018/2/6~3/14 奈良国立博物館「名品展(通常展)」

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-690
【指定番号】00170-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】大毘遮那成佛神変加持経
【ふりがな】だいびるしゃなじょうぶつじんぺんかじきょう
【員数】7巻
【国】日本
【時代・年】天平神護2年(766年)
【ト書】天平神護二年十月八日吉備由利願経
【所有者】西大寺
【国宝指定日】1953.03.31

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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