医心方(半井家本)[東京国立博物館]

医心方(半井家本)[東京国立博物館]

国宝『医心方(半井家本)』

医心方(いしんぽう)は、平安時代中期の鍼博士「丹波康頼(たんばのやすより)」が、中国の医学書を編纂して作った、日本最古の医学書。 現存する最古の写本で、長らく宮中にあったが、室町時代に正親町天皇から典薬頭だった半井光成(なからいみつなり)に下賜され、以後は同家に伝わったため「半井家本」と呼ばれる。

全30巻と1冊が揃う半井家本は、大多数の27巻が平安時代の書写で、巻第25と第29だけは別系統の本である。 この他、鎌倉時代の写本が1巻と、江戸時代の写本が2巻と1冊が補われている。 医心方は漢文で書かれており、平安時代の同系統25巻には天養2年(1145年)に藤原忠実によって仮名や訓点が書き加えられている。

国宝『医心方(半井家本)』東京国立博物館
国宝『医心方(半井家本)』東京国立博物館
国宝『医心方(半井家本)』東京国立博物館
国宝『医心方(半井家本)』東京国立博物館

この国宝を観るには

東京国立博物館の所蔵品の中では公開が少ないが、まれに公開されることがある。

公開履歴

2012/7/10~8/19 東京国立博物館 国宝室

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-832
【指定番号】00272-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】医心方(半井家本)
【ふりがな】いしんぽう
【員数】30巻、1冊
【時代・年】平安時代
【寸法・重量】(第一巻)縦27.4cm、全長24.8m
【ト書】巻第二十五、第二十九紙背保安大治年間文書及長承二年具注暦
【附指定】江戸幕府借用関係文書(七通)1巻
【所在地】東京国立博物館
【国宝指定日】1984.06.06
【説明】『医心方』(三十巻)は、永観二年(九八四)に丹波康頼が撰進したわが国現存最古の医書である。内容は、治病大体部、鍼灸部等三十部門に分けて、医療、本草、養生等の肝要をまとめたもので、文中に引用する中国の医書には、現在逸書となったものが多く、東洋医学史上に重視されている。この半井家本は、その平安時代後期の写本で、現存最古写本のまとまった遺巻である。 全三十巻、一冊のうち、二十五巻には文中に天養二年(一一四五)に宇治入道大相国藤原忠実の本によって書き込まれた訓点や校異、および医家本等による校異などがあり、この半井家本の由緒の正しさを示すとともに、その訓点は平安時代の国語資料としても貴重である。また巻第二十五、第二十九の二巻は平安時代後期の書写になる別本で、紙背には長承二年(一一三三)具注暦および保安・大治年間頃の文書およそ五十通があり、院政期のまとまった文書として歴史学上にも注目される。そのほか、鎌倉時代写本一巻、江戸時代写本二巻、一冊をあわせた全巻を完存し、中世以来の医家として著名な半井家に伝来した。なお、幕末期に江戸幕府の医学館において本巻の書写・板刻が行われ、版本として万延元年(一八六〇)に刊行された。附の文書はその際に、本巻の返還をめぐって幕府と半井家との間に交わされた書状類である。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

※このページの画像は「研究情報アーカイブズ」のものを使用しています。

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