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国宝-考古|銅筥・銅板法華経[国玉神社/福岡]

国宝DB-考古・歴史資料

求菩提山のこと

福岡県と大分県の県境に近い山合いにある求菩提山(くぼてさん)は、かつては活火山で古くから信仰の対象とされてきた。

役行者が入山し、その十数年後には僧「行善」によって養老4年(720年)に護国寺が建立される。 平安時代後期には「頼厳」によって中興され、明治時代になるまで修験道の道場として栄えた。

山頂には、護国寺跡に「国玉神社上宮」があり、そこまでは「鬼の石段」と呼ばれる自然石を積み重ねた険しい階段が続く。 また、山伏が修行した洞窟には壁画が彫られたものもあり、近辺は修験道の遺跡が残る。 求菩提資料館には、廃仏毀釈を免れた遺物や、国宝のレプリカが展示されている。

国宝『銅板法華経』

康治元年(1142年)に、求菩提山の中興の祖「頼厳」によって勧進されたもので、21.2cm×18.2cmの銅板33枚の両面に、法華経と般若心経を線刻している。 後述の銅筥に入った状態で、求菩提山にある「胎蔵窟(普賢窟)」の岩の裂け目から、大永7年(1527年)に発見された。

国宝『銅筥』

銅板法華経33枚が入れられた金銅の箱で、箱の四面に「阿弥陀三尊」「釈迦如来・多宝如来」「毘沙門天」「不動明王」が線刻されている。 平安後期の経塚遺物で、阿弥陀三尊などに末法思想の影響がみられる。

この国宝を観るには

九州国立博物館に寄託されており、年に数か月程度は公開される。 発見された地で、所有者「国玉神社」のある求菩提山には「求菩提資料館」があり、レプリカが展示されている。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-849
【指定番号】00016-01
【種別】考古資料
【指定名称】銅板法華経
【ふりがな】どうばんほけきょう
【員数】33枚
【時代・年】康治元年(1142年)
【ト書】康治元年九月廿四日書写畢在銘
【国宝指定日】1953.11.14

【台帳・管理ID】201-848
【指定番号】00016-02
【種別】考古資料
【指定名称】銅筥
【ふりがな】どうばこ
【員数】1合
【国】康治元年(1142年)
【ト書】奉彫銅如法妙法蓮華経一部 求菩提山供養畢、康治元年十月廿一日在銘/福岡県築上郡求菩提山出土
【附指定】発掘関係書類
【国宝指定日】1953.11.14

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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