江田船山古墳出土品[東京国立博物館]

江田船山古墳出土品[東京国立博物館]

江田船山古墳のこと

熊本県北西部に位置し、5世紀後半~6世紀初頭に作られたと推察される前方後円墳で、明治初頭に多数の副葬品が発掘されている。 被葬者は特定されていないが、この地の有力豪族のものと考えられている。

国宝『肥後江田船山古墳出土品』

現在は公園として整備され、現地には阿蘇凝灰岩で作られた家型の石室が残っており、見学する事が可能。 近くの「和水町歴史民俗資料館」では、国宝に指定された出土品のレプリカが展示されている。

国宝『肥後江田船山古墳出土品』 刀剣類

国宝『肥後江田船山古墳出土品』

優れた製作の副葬品が多数出土しており、日本で作られたものだけでなく、大陸から伝わったと考えられるものも含まれる。 刀や防具のような武器類、冠や靴などの装飾品、鏡や勾玉、馬具や土器まで多種の品物があり、全てが国宝に指定されている。

国宝『肥後江田船山古墳出土品』 銀錯銘大刀

特に有名なのは、銀象嵌(銀を嵌めこんで文字や模様を出す手法)で75文字の銘を入れた大刀(直刀型で大型の刀)は、日本最古級の漢字だとされる。 この銘には「大王」の文字もあり、これは埼玉県から出土した剣にもみられ、ヤマト王権と地方との交流がうかがえるものである。

江田船山古墳出土品 銀象嵌大刀 上部は文字 部は魚と鳥

国宝指定内容 一覧

国宝『肥後江田船山古墳出土品』

銀錯銘大刀(書者張安也在銘) 1口
金銀錯竜文鐶頭大刀 1口
銀荘鐶頭大刀 1口
大刀身 11口
剣身 6口
銀刀荘具 一括
鉾身 3口
鉄鏃(残欠共) 一括
神人車馬画象鏡 1面
画文帯神獣鏡 3面
獣帯鏡 1面
変形四獣鏡 1面
硬玉勾玉 1箇
石製勾玉 2箇
ガラス勾玉 2箇
碧玉管玉 24箇
水晶丸玉 1箇
銀製丸玉 1箇
ガラス玉 一括
金鐶 一対
金製長鎖三連式耳飾 一対
金製心葉形垂飾付耳飾 一対
金銅竜文透彫冠帽 1箇
金銅忍冬文冠帯金具残欠 1箇
金銅亀甲文冠帯金具残欠 1箇
金銅斜交文飾金具残欠 一括
金銅飾履 1足
金銅帯金具 1箇
金飾金具残欠 8箇
鉄衝角付胄 1頭
鉄短甲(残欠共) 2領分
鉄頸甲残欠 1領分
鉄轡(鉄地金銅張鏡板付) 1具
鉄轡 1具
鉄輪鐙 一対
銅鐶鈴 1箇
須恵器 蓋 1箇
須恵器 提瓶残欠 1箇

国宝『肥後江田船山古墳出土品』

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-864
【指定番号】00031-00
【種別】考古資料
【指定名称】肥後江田船山古墳出土品
【ふりがな】ひごえだふなやまこふんしゅつどひん
【員数】一括
【国】日本
【時代・年】古墳時代
【所在地】東京国立博物館
【重文指定日】1964.05.26
【国宝指定日】1965.05.29
【説明】史跡指定の熊本県玉名郡菊水町の江田船山古墳から出土した遺品で、種類が豊富なうえに製作がすぐれ、かつ鉄製品に至るまで保存状態がよい。一括遺物のうち特に注目されるのは「書者張安也」とある七十余字の銀象嵌(ぞうがん)の銘文をもつ大刀で、また、耳飾、冠帽類、飾履(しよくり)などの装身具は古新羅の遺跡から出土したものと同種類であり、銅鏡六面のうち舶載品とみられるものとともに、五世紀ごろのわが国と大陸との交渉を物語る遺品として大きな意義をもつ。

出典:国指定文化財等データベース

この国宝を観るには

2019年時点では、東京国立博物館「平成館」1階の考古展示室に常設展示されている。 銀象嵌大刀はライトアップされ、文字の他にも象嵌で表された魚や鳥なども見易いようになっている。

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