国宝『法華経(久能寺経)』
平安末期の装飾経で、法華経は8巻に開結を加えた10巻で構成されるが、8巻を「品」ごとに28品に分け、そこに開結を加えた30巻で構成された。 現在、この個人蔵の4巻と鉄舟寺(旧:久能寺)の19巻が国宝に指定され、東京国立博物館の3巻と五島美術館の2巻が重要文化財に指定されている。
鳥羽天皇と皇后の待賢門院を中心に、1巻を1人が受け持ち30人の人物が結縁する「結縁一品経」で、それぞれの巻末にその人物の名が記されている。 金銀箔を多用し、見返し(巻の最初の部分)に絵画が描かれたものもある。 平家納経よりも古く、まとまった数が残る装飾経としては最古級である。
4巻の内容
薬草諭品(やくそうゆほん)
従地湧出品(じゅうじゆうじゅつほん)
随喜功徳品(ずいきくどくほん)
普賢菩薩勧発品(ふげんぼさつかんぼつほん)
この国宝を観るには
奈良国立博物館で毎年冬に企画される、通常展「珠玉の仏教美術」で公開されることがある。
公開履歴
2025/4/19~6/15 奈良国立博物館「超・国宝-祈りのかがやき-」※展示期間未確認
2023/11/7~12/3 東京国立博物館「やまと絵」
2020/12/8~2021/1/11 奈良国立博物館「珠玉の仏教美術」
2018/1/10~2019/1/28 奈良国立博物館「珠玉の仏教美術」
文化財指定データ
台帳・管理ID】201-11767
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】278
【種別】書跡・典籍
【指定名称】法華経 (久能寺経)
【ふりがな】ほけきょう くのうじきょう
【員数】4巻
【時代・年】平安時代
【品質・形状】巻子装
【所有者】個人
【国宝指定日】2017.09.15