国宝『熊野懐紙』
平安末期から鎌倉時代にかけて、上流階級の間では熊野三山を参詣する「熊野詣」が流行する。 特に後鳥羽上皇は大変熱心で、大勢の随身を連れて参詣し、その回数は生涯を通じて30回近くになった。
熊野懐紙は、熊野参詣の道中で歌会を催した際に、それぞれが歌を書きとめたもので、各所に14名分34葉が分蔵されている。 西本願寺に伝わる1巻は、後鳥羽上皇の直筆である宸翰ほか、源通親・西園寺公経・藤原家隆・寂蓮法師などの11葉が収められている。 他には、陽明文庫に伝わる3葉(うち1葉は後鳥羽上皇)が『熊野懐紙』として国宝に指定され、各所の11件が重要文化財に指定されている。
この国宝を観るには
公開される機会は多くないが、博物館の特別展に出展される場合がある。
公開履歴
2023/5/2~5/21 京都国立博物館「親鸞-生涯と名宝」
2011/10/25~11/20 東京国立博物館「法然と親鸞」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-579
出典:国指定文化財等データベース一部抜
【指定番号】00031-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】熊野懐紙〈(後鳥羽天皇宸翰以下十一通)/〉
【ふりがな】くまのがいし
【員数】1巻
【国】日本
【時代・年】正治2年(1200年)
【附指定】伏見宮貞敦親王御添状1巻、飛鳥井雅章添状1通
【所有者】西本願寺
【国宝指定日】1951.06.09