国宝『太刀 銘 国行(当麻国行)』
大和国(現在の奈良県)の刀工集団「当麻派」は、大和五派の1つで、当麻寺(當麻寺)と関りがあったといわれる。 国行は当麻派の初代で、鎌倉中~後期頃に活躍したとみられるが、在銘のものは少ない。 この太刀は「国行」の銘が入る珍しいもので、備後国(現在の広島県)福山藩主だった阿部家に伝わったもの。
この国宝を観るには
刀剣博物館の所蔵なので、同館の展覧会で比較的観られる機会は多い。
公開履歴
2023/10/28~12/24 刀剣博物館「日本刀の装い 豊かなる刀装・刀装具と名刀展」
2022/11/1~11/23 刀剣博物館「館蔵品・寄託品展」
2020/10/31~12/14 大阪歴史博物館「埋忠〈UMETADA〉桃山刀剣界の雄」
2020/4/21~6/21 刀剣博物館「日本刀の見方Ⅲ 刃文」※新型コロナで予定変更あり
2018/10/13~12/24 刀剣博物館「諸国漫遊」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-442
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00148-00
【指定名称】太刀〈銘国行/〉
【ふりがな】たち〈めいくにゆき〉
【員数】1口
【作者】国行
【時代・年】鎌倉時代
【寸法・重量】身長69.7cm、反り1.5cm、元幅2.8cm、先幅1.9cm、鋒長3.0cm、茎長17.6cm
【品質・形状】鎬造、庵棟、反り浅く、中鋒。鎬幅狭く、鎬高し。鍛え板目肌流れごころに柾交じり、地沸よくつく。刃文湾れに互の目交じり、砂流しかかり、匂深く、小沸よくつき、所々に金筋かかる
【所有者】刀剣博物館
【国宝指定日】1954.03.20
【説明】当麻派の祖、国行の作で、同工の有銘の作は現存するものが少ない。本太刀は磨り上げているが、丁子乱れの刃文を焼、細かにつんだ地肌に特色があり、刃中に足、葉が見事に現れ、同工の特色をよく示している。身幅があり、重ねも厚く堂々とした姿は鎌倉中期の太刀姿の典型である。