国宝『短刀 銘 来国次』
山城国(現在の京都)来派の刀工、来国次は、来派の名工である来国俊の門人といわれ、後に鎌倉に移り正宗の優れた10人の弟子「正宗十哲」に数えられる。 国次による刀剣で国宝に指定されたのは紀州徳川家に伝来したこの1振のみで、他に4振が重要文化財に指定されている。 国宝には「短刀」として指定されているが、短刀としては大きく、刀剣博物館の正宗十哲展では「脇差」と紹介されていた。
この国宝を観るには
現在は個人蔵になっており公開は非常に少ない。
公開履歴
2024/2/18~3/27 ふくやま美術館「正宗十哲-名刀匠正宗とその弟子たち」
2024/1/6~1/24 刀剣博物館「正宗十哲-名刀匠正宗とその弟子たち」
2018/9/29~11/25 京都国立博物館「京のかたな」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-458
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00163-00
【種別】工芸品
【指定名称】短刀〈銘来国次/〉
【ふりがな】たんとう〈めいらいくにつぐ〉
【員数】1口
【国】日本
【時代・年】鎌倉時代
【寸法・重量】身長32.7cm、反り0.1cm、元幅3.3cm、茎長9.7cm
【品質・形状】平造、三つ棟、身幅広く僅かに反り、寸延びの姿。鍛小板目肌約み僅かに表裏来肌あらわれるも、地沸つき地景入り、地鉄冴える。刃文、小湾れに互の目交じり足葉よく入り、匂深く小沸つき、所々に砂流金筋かかる。帽子湾れ込み、先尖りごころに僅かに返る。彫物表裏棒樋に連樋を掻流す。茎生ぶ、先栗尻、鑢目切、目釘孔一、中央に三字銘。
【画賛・銘等】「来國次」
【所有者】個人
【重文指定日】1937.05.25
【国宝指定日】1955.02.02
【説明】来国次は短刀の作を最も得意とし、太刀は数も少なく短刀ほどに出来たものは少ない。本短刀は同作中最も大振りで刃文も大らかに、沸つき華やかな作風を示し、相州伝の影響が強く感じられる。