国宝『短刀 銘 備州長船住長重/甲戌』
長重は、南北朝時代の備前長船派の刀工で、正宗十哲に数えられる長義の兄だといわれる。 「備州長船住長重」「甲戌」の銘が入り、甲戌は建武元年(西暦1334年)である。 刀剣の鑑定や研磨を家業とした本阿弥家で、豊臣秀吉から「折紙」を発行できる刀剣極所に任命された「本阿弥光徳」の指料だったもので、近代まで本阿弥家に伝わった。
この国宝を観るには
現在は個人蔵になっており公開は非常に少ない。
公開履歴
2024/1/16~3/10 東京国立博物館「本阿弥光悦の大宇宙」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-415
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00122-00
【種別】工芸品
【指定名称】短刀〈銘備州長船住長重/甲戌〉
【ふりがな】たんとう〈めいびしゅうおさふねじゅうながしげ/こうじゅつ〉
【員数】1口
【国】日本
【時代・年】1334年
【作者】備州長船住長重
【寸法・重量】身長26.0cm、内反り、元幅2.5cm、茎長11.2cm
【品質・形状】平造、三つ棟、内反り。鍛いため肌僅かに流れごころを帯び、よくつみ、地沸厚く、地景入り、地斑交じり、映気少し。刃文湾れ互の目交じり、砂流かかり足入り、匂口冴えて小沸むらなくつき所々に金筋かかる。帽子乱込み突き上げ、尖りて強く返り、裏の方やや長く焼下げる。茎生ぶ、先栗尻張る。鑢目勝手下がり、目釘孔一、表中央、裏に銘。
【画賛・銘等】「備州長船住長重」「甲戌」
【附指定】腰刀拵
【所有者】個人
【重文指定日】1942.06.26
【国宝指定日】1953.11.14
【説明】備前長義一門長重の作で、いわゆる相州伝の最高の技を示した傑作である。甲戌の干支は建武元年である。本短刀は、豊臣秀吉に仕えた本阿弥家第一の鑑識光徳の指料と伝えている。付属の拵えは江戸時代初期のものである。