立体曼陀羅のこと
東寺(正式名称:教王護国寺)講堂には、空海によって作られた「立体曼陀羅」と呼ばれる仏像群がある。 曼荼羅は仏の世界を表したもので、幾何学的な配置の図画で表されることが多いが、仏像で立体的に表されることもあり「立体曼陀羅」「羯磨曼荼羅(かつままんだら)」と呼ばれる。
国宝『五大菩薩坐像』
東寺講堂の立体曼陀羅の中央には5体の如来が配置され、その東側に『五大菩薩』が配されている。 中央は「金剛波羅蜜菩薩」で、これのみ室町時代の一揆で焼失し、桃山から江戸時代初期に補作されたもので、国宝の指定は他の4体の「附」としてされている。
他の4体は、全て講堂創建当時(平安初期)からのもので、木造の一木造だが、表面に乾漆造のように木屎漆(こくそうるし)を使用している。 中央の波羅蜜に比べて小ぶりで、100cm弱ほどの坐像である。 高く盛り上げた髪に宝冠を着けており、体も衣の他に瓔珞(ようらく)などの装飾品が多く、優美な姿をしている。
北東「金剛薩埵菩薩(こんごうさったぼさつ)」
南東「金剛宝菩薩(こんごうほうぼさつ)」
南西「金剛法菩薩(こんごうほうぼさつ)」
南東「金剛業菩薩(こんごうごうぼさつ)」
附指定「木造金剛波羅蜜菩薩坐像」1躯
この国宝を観るには
原則、東寺の講堂(有料拝観エリア)で常時公開されている。 春秋の特別公開時等に仏像の後ろ側から拝観できる場合もある。
拝観情報(金堂・講堂)
時間:8:00~17:00(受付は30分前まで)
料金(通常期):大人¥500、高校生¥400、中学生以下¥300
料金(特別期):大人¥800、高校生¥700、中学生以下¥500
特別期間:正月・春秋などは五重塔初層拝観ができる
アクセス:JR「京都駅」徒歩約15分、近鉄「近鉄東寺駅」徒歩約10分
市バス:各路線「東寺東門前」「東寺南門前」「九条大宮」「東寺西門前」などのバス停下車
教王護国寺(東寺) 公式サイト
東寺講堂の国宝仏像
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-246
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00083-00
【種別】彫刻
【指定名称】木造五大菩薩坐像(講堂安置)
【ふりがな】もくぞうごだいぼさつざぞう
【員数】4躯
【国】日本
【時代・年】平安時代
【所在地】教王護国寺(東寺)
【国宝指定日】1954.03.20
【追加指定日】2012.09.06