「奈良大和四寺のみほとけ」展
奈良大和四寺は、奈良県中央エリアに位置する古刹「長谷寺」「室生寺」「岡寺」「阿部文殊院」で、四寺とも7~8世紀創建の歴史ある寺院です。 四寺とも多くの国宝・重要文化財の仏像や寺宝を有していて、今回はその一部が東京国立博物館の本館11室(1F入って右手の仏像展示室)で展示されます。 企画展寺ですが、通常の入場料のみで観覧できるようです。
この企画展で観られる国宝
義淵僧正坐像[岡寺/奈良]
岡寺の開祖「義淵僧正(ぎえんそうじょう)」の木像です。 8世紀に作られたもので、深く刻まれた皺や大きく垂れた目などが印象的な肖像彫刻です。 義淵僧正は日本で最初に僧正の位を授けられた高僧で、弟子には良弁や行基がいます。
十一面観音菩薩立像[室生寺/奈良]
今回のパンフレットにもなっている、お顔のふっくらした木造の十一面観音像です。 光背は「板光背」と呼ばれる木製のもので、唐草や蓮華が描かれ彩色が施されています。 今までは国宝の『金堂』に安置されていましたが、この展示が終わると新築された「寶物殿」に移されるようです。
釈迦如来坐像[室生寺/奈良]
室生寺には国宝の釈迦像が2躯ありますが、今回出展されるのはご本尊の立像ではなく弥勒堂に安置されていた坐像です。 どっしりとした体躯に引き締まりつつも穏やかな表情で、衣紋は反対に線が多くエレガントな印象です。
文殊菩薩像像内納入品 仏頂尊勝陀羅尼・文殊真言等[安倍文殊院/奈良]
名前の通り文殊菩薩をまつる安倍文殊院のご本尊「渡海文殊」は、獅子に乗った文殊菩薩と4躯の脇侍の全てが国宝に指定されていますが、附としてこの「仏頂尊勝陀羅尼・文殊真言等」1巻が指定されています。 これは永禄の兵火の時に、文殊菩薩の胎内から発見されたものだそうです。
この企画展で観られる重要文化財
長谷寺
「十一面観音菩薩立像」13世紀
「地蔵菩薩立像」10~11世紀
「赤精童子(雨宝童子)立像」運宗作
「難陀龍王立像」舜慶作
岡寺
「菩薩半跏像」8世紀
「天人文甎」7世紀
「釈迦涅槃像」13世紀
室生寺
「十二神将立像(巳神・酉神)」13世紀
「地蔵菩薩立像」10世紀
その他の出展品
長谷寺
「十一面観音菩薩立像」12世紀
「阿弥陀如来立像」12世紀
展覧会 概要
期間:2019/6/18~9/23
時間:9:30~17:00(金土は~21:00)
休日:毎月曜日(祝日は翌日に振替の場合あり)
料金:大人¥620、大学生¥410(総合文化展の料金のみ)
画像は公式サイトで観られます