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国宝-建築|浄土寺 本堂[尾道/広島]

国宝DB-建築

浄土寺のこと

推古天皇24年(616年)に、聖徳太子によって創建されたと伝わる浄土寺は、中世には荒れ果てていたのを、鎌倉時代に奈良の西大寺の僧「定証上人」によって復興される。 その後は、足利尊氏をはじめ以降の足利将軍からの庇護を受けるが、戦国~江戸にはまた荒廃する。 江戸時代には尾道の豪商の庇護を受け、武家の寺から民衆の寺へと変化する。

国宝『本堂』

浄土寺は定証上人によって復興されるが、鎌倉時代末期に伽藍を焼失しており、その後すぐに尾道の民衆によって再建される。 本堂は、道蓮・道性夫婦の発願によって、嘉暦2年(1327年)に建立されたものが現在まで残る。

ベースは和様だが、桟唐戸や花肘木など、大仏様や禅宗様の要素を取り入れた折衷様で建てられている。 浄土寺は、真言宗と関わりの強い期間も多く、内部は密教様式で作られ、手前2間分が外陣で奥が内陣となっている。 秘仏の十一面観音の厨子は、附として国宝に指定されている。

足利尊氏が、室町幕府開幕前に戦勝祈願に参籠しており、現在も本堂内に参籠の間が残る。 尊氏の肖像画や念持仏など、ゆかりの寺宝が残されており、足利の家紋「二つ引き両」を寺紋として使用している。

国宝『浄土寺 本堂』広島県尾道市
国宝『浄土寺 本堂』広島県尾道市
広島県尾道市「浄土寺」方丈から国宝『本堂』を観る

この国宝を観るには

8:00~17:00は、境内は無料で参拝できる。 本堂の内部拝観は有料で、国宝『本堂』内陣のほか、方丈・庫裏・客殿を見学することができる。 受付はご朱印の受付も兼ねる、庫裏の玄関で申し込む。

尾道市 浄土寺「庫裏」ご朱印と内部拝観受付

浄土寺の国宝

文化財指定データ

【台帳・管理ID】102-3125
【指定番号】00133
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】浄土寺本堂
【ふりがな】じょうどじほんどう
【員数】1棟
【時代・年】嘉暦2年(1327年)
【寸法・重量】
【構造・形式】桁行五間、梁間五間、一重、入母屋造、向拝一間、本瓦葺
【附指定】厨子1基、棟札2枚、境内図2枚
【国宝指定日】1953.03.31
【説明】本堂は正中二年の火災後貞和元年に再建された建物で和様を基調として唐様、天竺様を混用したいわゆる折衷様式に属し、瀬戸内海沿岸諸地方に存するこの種建築の代表的なものである。又年代の確証あるものとしては最古の例に属する。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

兵庫県にも国宝の浄土寺があります

ご朱印

広島県尾道市「浄土寺」ご朱印

鑑賞ログ

2019年8月

外からの拝観でも戸は開いているので、中の様子は拝見できますが、せっかくなので¥600で有料拝観を申し込みます。 お守り売り場で聞くと、本堂の左手奥にあるご朱印のところで声をかけて下さいとのこと。 庫裏の入口がご朱印と拝観の受付になっています。

広島県尾道市「浄土寺」庫裏天井

まずは庫裏の見学です。 こちらは僧侶の方が説明して下さいました。 江戸時代に建てられた庫裏は大きく立派なものです。 その後、方丈の見学は自動のテープによるものですが、人も少なく手入れのされた庭園をゆっくり眺められます。

広島県尾道市「浄土寺」方丈

廊下伝いに本堂へ向かい、左の外陣から中に入ります。 古い様式のお堂らしく、左右には「参籠」するための部屋があります。 足利尊氏もこちらで戦勝祈願したそうで、ゆかりの寺宝も多く、ちょうど九州国立博物館で開催中の「室町将軍展」への出展もされているそうです。 伽藍も立派ですが、奥にこれほどの空間が広がっているとは想像できないほど見ごたえがあるので、時間に余裕があればぜひ内部拝観をおすすめします。 

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