国宝『一字蓮台法華経(普賢勧発品)』
装飾経の一種で、経文の1文字1文字を仏に見立て、文字を蓮台に乗せ金の輪で囲んでいる。 料紙は金銀箔を散らし、見返し(経巻の先頭部分)にはやまと絵が描かれた、平安後期を代表する華やかな装飾経。
法華経は「妙法蓮華経」ともいい、最澄が開いた天台宗はこの経典を根本としている。 女性の成仏を説いていることから、貴族女性の間で人気が高く、多くの装飾経が奉納された。 法華経は28品(28のブロック)で構成され、この「普賢勧発品」は最後の28番目にあたる。
見返しの絵画は、屋根を描かずに室内の様子を描く「吹抜屋台」で法要の様子が描かれ、経をあげる僧侶たちと、施主と思われる貴人が描かれている。 装飾経の中には「絵画」として国宝に指定されるものもあるが、本品は「書跡・典籍」として国宝に指定されている。
この国宝を観るには
所蔵館の大和文華館で、年に1度程度は公開される。
公開履歴
2024/2/23~4/7 大和文華館「文字を愛でる」
2023/10/11~11/5 東京国立博物館「やまと絵」
2022/4/22~5/8 MOA美術館「大蒔絵展」
2021/8/27~10/3 大和文華館「祈りと救いの仏教美術」
2020/7/10~8/16 大和文華館「コレクションの歩み展Ⅰ」
2019/10/5~11/17 大和文華館「聖域の美―中世寺社境内の風景―」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-638
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00103-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】一字蓮台法華経〈(普賢勧発品)/〉
【ふりがな】いちじれんだいほけきょう
【員数】1巻
【時代・年】平安時代
【所有者】大和文華館
【国宝指定日】1952.03.29