スポンサーリンク

国宝-建築|石山寺 本堂[滋賀]

国宝DB-建築

石山寺のこと

石山寺は、奈良東大寺の開基で大僧正にもなった「良弁」が、聖武天皇の発願により如意輪観音をまつったことに始まる。 醍醐寺を開いた聖宝が座主だったこともあり、その頃から現在に至るまで真言宗の寺院である。

琵琶湖の最南端に位置し「石山」の名の通り巨大な硅灰石が多く、本堂もその上に建てられている。 戦火にあっていないので、平安時代に再建された本堂を始め古い建物や宝物が多く残っている。

国宝『本堂』

石山縁起絵巻などの資料によると、古い時代から懸造りの本堂が建っていたが、承暦2年(1078年)に火災で焼失し、永長元年(1096年)に現在の正堂(内陣)が再建された。 礼堂(外陣)は、慶長7年(1602年)に淀殿の寄進によって建造され、大きな懸造りになっている。 2つの棟を相の間でつなぎ、全体を屋根が覆っている。

相の間の東端には「源氏の間」があり、紫式部が新しい物語を書くために石山寺に参籠し、月を見て着想を得て書かれたのが源氏物語だという記録による。 部屋は、内側の廊下から外側の窓まで2間が縦に並んでおり、当時の貴人達が参籠に利用した。 紫式部の他にも、蜻蛉日記を書いた藤原道綱母や、更科日記を書いた菅原孝標女などが、石山寺参籠の様子を日記に書いている。

本尊は、平安時代に作られた秘仏の如意輪観音で、重要文化財に指定されている。 内陣の厨子に安置されるが、33年に1度のご開帳と、天皇の即位でもご開帳がある。 令和は、即位の翌年の令和2年3月18日~6月30日まで拝観可能。

国宝『石山寺 本堂』
国宝『石山寺 本堂』
国宝『石山寺 本堂』
国宝『石山寺 本堂』の紫式部の間

この国宝を観るには

拝観可能時間には、入山料(¥600)で、外陣・相の間から参拝可能。 別料金(¥500)で、内陣に入ることができる。 本尊は秘仏だが、本尊の厨子を囲むように仏像が多数安置されている。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】102-1315
【指定番号】00080
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】石山寺本堂
【ふりがな】いしやまでらほんどう
【員数】1棟
【時代・年】永長元年(1096年)、礼堂:慶長7年(1602年)
【構造・形式】本堂:桁行七間、梁間四間、相の間:桁行一間、梁間七間、礼堂:懸造、桁行九間、梁間四間、本堂及び礼堂:寄棟造、両棟を相の間の屋根でつなぎ礼堂の棟をこえて破風をつくる
【所在地】滋賀県大津市石山寺
【国宝指定日】1952.11.22

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
タイトルとURLをコピーしました