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情報|奈良国立博物館「名画の殿堂 藤田美術館展」2021/12/10~2022/1/23

情報-博物館・美術館

名画の殿堂 藤田美術館展

大阪の実業家、藤田傳三郎氏の日本と東洋の美術コレクションが元になっている「藤田美術館」は、2017年~施設の老朽化による建て替えで休館しています。 2019年春には、奈良国立博物館で「国宝の殿堂 藤田美術館展」という展覧会があり、藤田美術館が所蔵する9件の国宝が全て公開され、同時期にあった他館の展覧会とで、国宝の曜変天目が3点同時に公開される!と話題になったものです。 新しい藤田美術館は2022年4月に再開の予定だそうで、展覧会の内容はまだ発表されていないようですが、とても楽しみなイベントの1つです。

奈良国立博物館「名画の殿堂 藤田美術館展」チラシ

リニューアルを前に、テーマを絵画に絞った展覧会が、奈良国立博物館で開催されます。 展示品74件のうち、初公開の作品が23件もあるそうで、藤田美術館に通っていた方も、2019年の展覧会に来た方も、日本絵画好きは必見な展覧会です。

第1章 藤田傳三郎の視点
第2章 やまと絵の伝統
第3章 宋元絵画憧憬
第4章 中世水墨画
第5章 近世絵画
第6章 近代日本画
第7章 奈良の明治維新

構成をみると、やまと絵、水墨画、肉筆浮世絵、明治画壇と、日本絵画の歴史を眺められそうです。 作者がとても豪華で、高階隆兼、狩野永徳、土佐光起、尾形光琳、チラシの表にも採用された竹内栖鳳などが並びます。 伝承筆者まで入れると、馬遠、牧谿、周文、狩野正信、狩野元信、長澤蘆雪と図録が日本美術の教科書になりそうですね。 

個人的な注目は、長澤蘆雪の髑髏と仔犬の掛軸で、この有名な画は 藤田美術館の所蔵だったんですね。 白蔵主と幽霊との三幅対のもので、この髑髏と仔犬はフィギュアガチャになるくらい有名なものです。

それから、ちょっと異色なカテゴリの第7章「奈良の明治維新」も面白いですね。 こちらで公開される国宝『両部大経感得図』は、明治の廃仏毀釈で廃寺になった「内山永久寺」のものなので、他の作品も何か明治維新に関する謂れがあるのだと思われます。

この展覧会で観られる国宝

両部大経感得図 伝藤原宗弘筆

平安末期の宮廷絵師「藤原宗弘」によって描かれたもので、明治に廃寺になってしまった内山永久寺の須弥壇の建具だったものです。 両部とは密教で重視される経典「大日経」と「金剛頂経」のことで、その両方を「感得」=どのように得たかが描かれています。

玄奘三蔵絵 第4巻 高階隆兼筆

玄奘三蔵は、西遊記の三蔵法師のモデルになった中国の翻訳僧で、インドから大量の経典を持ち帰り、中国語に翻訳しました。 日本からの入唐僧「道昭」が玄奘三蔵の弟子になり、その教えを持ち帰って日本の法相宗が始まります。 この絵巻物は、鎌倉時代に御所の絵所預だった「高階隆兼」によるものといわれ、インドや中国の景色のはずが、日本風のやまと絵で描かれているのが面白いです。

展覧会 概要

期間:2021/12/10~2022/1/23
休館:毎月曜日(1/3・1/10は開館し、1/11が休館)、12/28~1/1
時間:9:30~17:00
料金:一般¥1,200、大高生¥1,000

奈良国立博物館 公式サイト

 

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