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鑑賞ログ|長谷寺 大観音 特別拝観[奈良]

国宝鑑賞ログ

長谷寺観音 特別拝観

平安の昔から霊験あらたかな観音の霊場として、特に女性の参詣者を多く集めた長谷寺は、更級日記や蜻蛉日記の作者も参詣し、その様子は日記に書かれています。 また藤原道長や足利義政のような有力者も参詣しています。

この特別拝観は、内陣に入って十一面観音のお御足に触れてご縁を結ぶというもので、春・秋に実施されることが多いようです。 ご本尊は重要文化財ですが、特別拝観の実施される『本堂』は国宝に指定されています。

長谷寺観音 特別公開

本尊「十一面観音」運宗作

長谷寺は何度も火災にあっており、現在のご本尊は天文7年(1538年)に仏師「運宗」によって作られた8代目です。 10mを超える寄木造りの立像で、右手には錫杖、左手には水瓶を持つ姿は「長谷寺式」と呼ばれます。 1976年に重要文化財に指定されています。

長谷寺観音 特別公開 パンフレット表

2019年 特別公開 実施概要

期間:3/1~6/30、10/12~12/1
時間:4~6月は9:00~16:00(期間によって変動あり)
料金:¥1,000(別途入山料)
割引:入山料¥500とセットで¥1,300
長谷寺公式サイト:https://www.hasedera.or.jp/

長谷寺 特別拝観 セット券がお得です

拝観レポート

長谷寺 本堂までの回廊

初瀬山の中腹に建つ本堂へは399段もある長い回廊を登ります。 長谷寺は「花の御寺」とも呼ばれ、回廊を登る間も季節の花を楽しめますよ。

長谷寺本堂の東側やや奥に特別拝観入口があります

本堂に着くと、一般の参拝者の入口より奥に、特別拝観の入口があります。 入口でチケットを渡すと、左手首に五色の紐を編んだ腕輪を付けて下さいます。 一緒に頂いた袋の説明書きによると「仏の五つの智慧をあらわす白・赤・黄・青・黒」「災いを除き、安心を与える腕輪」となっています。 腕輪を付けると、左手に塗香を付けて下さるので、両手に塗り込んで清めると準備完了です。

本堂は、一般参拝者と同じ高さの内陣に、僧侶の方がお勤めをされる場所が板張りになっていますが、特別参拝は板張りの下にある天井の低い通路を通ります。 観音様のすぐ近く(内々陣?)に入ると天井まで吹き抜けの広い空間になります。 

すぐ真下から10mもの観音様を見上げて参拝をしますが、何とも言えない大迫力です。 見上げた時の堂内の装飾も効果的で、わらしべ長者や玉鬘のようにご利益がありますようにと祈ります。 十一面観音には金箔が多く残っていますが、たくさんの参拝者が触れた足元は金箔が剥がれて黒くなっています。

長谷寺 観音特別拝観パンフレット裏

ご本尊に参拝した後は観音様をひと回りできるので、普通の参拝では見え辛い光背も間近で観ることができます。 内陣には、観音様が33の姿になって救って下さるというお姿を描いた「観音應化三十三身板絵」や、現在の本堂を寄進した徳川家の御位牌、長谷寺ゆかりの高僧像などが観音様を囲むように安置されています。 ご本尊の真後ろには「裏観音」の十一面観音像が安置されており、こちらは小型の観音様で親しみやすい感じがします。 

奈良 長谷寺 十一面観音 特別復刻ご朱印

所要時間は人によりますが、団体ツアーの方々は5~10分ほどで出て行かれたようですが、私は内陣の1つ1つにゆっくりお参りし、板絵などもじっくり見せて頂きましたので20分ほどいたでしょうか。 ご朱印は入口側の別棟で頂けます。

国宝『長谷寺 本堂』のこと

長谷寺の見どころ

長谷寺マップ

回廊を上り始めたところに「宗寶館」がありますが、看板などは出ていないので見落とさないように要注意です。 こちらは入場無料で、国宝『銅板法華説相図』のレプリカなど、長谷寺の宝物が展示されています。

長谷寺 宗寶館

回廊の真ん中あたりで脇道を少し歩くと「二本の杉(ふたもとのすぎ)」があります。 源氏物語でも和歌に詠み込まれたもので、謡曲「玉鬘」はここが舞台になっています。 

奈良長谷寺「二本の杉」

本堂を反対側に抜けると、五重塔の手前に「本長谷寺」があります。 小さなお堂ですが、ここに国宝の『銅板法華説相図』をまつったのが長谷寺の始まりです。 現物は国立博物館に寄託されているので、現在は摸刻が安置されています。

奈良長谷「銅板法華説相図」がまつられた本長谷寺

五重塔は戦後に建てられたものです。 本堂の舞台から見ると緑の中に朱の五重塔が見えて美しいです。

奈良 長谷寺 五重塔

壮大な本坊は大正時代に建てられたもので、講堂や書院があるようですが、中に入ることはできません。 門から玄関までは、皇族方のお手植えの松が並んでいます。

奈良 長谷寺本坊

長谷寺は見どころが多く、結局2時間ほど境内にいました。 じっくり派の方はどうぞ時間に余裕をみて下さいね。

ついでにグルメ

JR長谷寺駅から長谷寺までは歩いて20分ほどですが、昔ながらの門前街の雰囲気を残しています。 神社もいくつかありますし、名物の「そうめん」や「草餅」を売るお店もたくさんあるので、昔ながらの「初瀬詣」気分を味わえます。

奈良長谷寺門前「井上ぼたん堂」草餅
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