天野山金剛寺のこと
大阪南部の河内長野市にある真言宗の寺院で、聖武天皇の命で行基が開き空海が修行したと伝わる古刹です。 一時荒廃しますが、後白河法皇とその妹の八条女院の庇護を受けて伽藍が再興され、空海の御影をまつる御影堂には女性も参拝できたので「女人高野」とも呼ばれました。
南北朝時代に南朝方についた武将の「楠木正成」は、このあたりを本拠地としており、その関係か後醍醐天皇との関係も深かったようです。 後醍醐天皇の皇子で次代の後村上天皇は、金剛寺を仮の御所「行宮(行宮)」に定めて、6年の間をこの地で過ごしたようです。
その後も、織田信長や豊臣家など有力者の庇護を受けて、火災にもあわなかったので、多くの文化財や寺宝が現在に伝わっています。 江戸時代に入ると徳川幕府によって修繕を受けますが、それ以降は修繕されることなく、平成21年から約10年をかけて、平成の大修理がされました。
国宝特別公開
金剛寺には、1952年~1953年に指定された国宝『延喜式』『延喜式神名帳』『剣 無銘』がありますが、2017年には『大日如来坐像・不動・降三世明王坐像』が、2018年には『日月四季山水図屏風 』が国宝に指定されています。 春・秋の数日間だけ、国宝の三尊像と山水屏風が拝観出来ます。
この特別公開で観られる国宝
大日如来坐像・不動・降三世明王坐像(11/1~5)
2017年に国宝に指定された金剛寺の本尊で、中尊の大日如来像と、脇侍が不動明王・降三世明王像の三尊です。 墨書から快慶の弟子の「行快」の作だと判明しています。 大日如来は3mを超える大きさで、本堂に座って見上げるととても迫力があります。
日月四季山水図(11/1~3)
本尊三尊の翌年2018年に国宝に指定された6曲1双屏風で、潅頂の儀式で使用する山水屏風ですがデザイン性が高く、描かれた時代も室町~桃山と説が分かれているようです。 北朝の御座所が置かれていた本坊の「奥殿」の座敷で、ガラスなどなくじっくり拝見することができます。 こちらは3日までなので要注意です。
特別公開 概要
期間:2020/11/1~11/5(屏風は11/1~11/3)
時間:9:00~16:30
料金:各¥1,000
金剛寺 公式サイト
アクセス
南海・近鉄「河内長野駅」
4番乗り場から、「1」「4」「特4」乗車で「天野山」バス停下車
毎時35~38分頃に「光明池」行きバスがあるようです。
週末の午前中は「サイクルセンター」行きが何本か運行されます。
※この情報は、2020年11月現在のものです。