京都非公開文化財 特別公開
公益財団法人「京都古文化保存協会」が、春と秋に開催する、非公開文化財の特別公開です。 元々、春はGW前後の10日間ほど、秋は紅葉シーズンとも重なる11/1~10の10日間だったのですが、コロナ対策で開催期間が長めに設定されています。 寺社施設によって、公開日数が異なりますのでご注意ください。
この特別公開では、毎回のように参加される大きな寺社、このイベントでだけ毎年公開される法然院などの寺院や冷泉家などのお屋敷に、普段は拝観謝絶の小さな寺院が数か所あって楽しみにしていましたが、コロナ禍で小さな寺院は参加が少なくなっています。 国宝の公開は定番的なラインナップで特段珍しいわけではありませんが、全て歴史のある有名な寺社なので、満足度は高いと思います。 早く感染症の流行が落ち着いて、アッと驚くような特別公開をして頂けるといいのですが。
令和3年(2021年)第57回で観られる国宝
賀茂別雷神社(上賀茂神社)
10/16~12/5
国宝『本殿・権殿』特別参拝
通常の参拝では、国宝の本殿・権殿が見えにくに場所(写真)からの参拝ですが、特別拝観では神職の方から神社やご祭神のお話を聞いて、お祓いをして頂いてから本殿のすぐそばでお詣りできます。 春秋の特別公開と夏冬の京の旅は、ほぼ毎回参加されています。
東福寺
10/18~12/5
国宝『三門』二層への登楼
普段は遠巻きの柵の外から眺めることしかできない三門の、二層(2階)に上がることができます。 禅宗様・和様・大仏様を取り入れた「折衷様」で、初層も二層も上を見上げると見事な木組みが見られます。 二層は開放的で、釈迦如来と十六羅漢が安置されています。
知恩院
10/29~11/7
国宝『三門』二層への登楼
知恩院も三門の二層に上がることができます。 開放的な東福寺の三門とは印象が大きく異なり、内部の壁や柱は極彩色の壁画で彩られた濃厚な空間です。 こちらも釈迦如来と十六羅漢が安置されています。
東寺(教王護国寺)
10/30~11/14
国宝『五重塔』初層公開
東寺といえば講堂の立体曼荼羅が有名ですが、五重塔の初層も立体曼荼羅のように仏像が安置され、壁や柱は高僧像などが描かれています。 塔の中心を貫く柱を大日如来に見立て、四方に脇侍を従えた如来が安置されています。 こちらは講堂もセットで、少しお安い¥800です。
石清水八幡宮
10/30~11/14
国宝『本社』特別参拝
大阪との府境近くにあり、市の名前「八幡市」は石清水八幡宮によるものです。 御本社の特別参拝で、織田信長が寄進した黄金の雨樋や、左甚五郎の作と伝わる彫刻が観られるようです。
今回初公開の文化財
今回は小さいレア寺院が少なめで、そのほとんどが東福寺の塔頭です。 下に紹介する「光明院」「南明院」は特別公開としては初登場で、他に桔梗で有名な「天得院」、白洲次郎のお父さん白洲文平の屋敷を移築した「白洲屋敷」を本堂とする「正覚庵」も公開されるようです。 八坂神社の奥にあって、カフェとしても大人気の明治の洋風豪邸「長楽館」の公開では、茶室と御成の間という和風の空間も特別公開されるようです。
光明院(東福寺塔頭)
10/30~11/14
東福寺では数少ない、普段でも拝観できる塔頭の1つです。 東福寺は、昭和の名作庭家「重森三玲」が手掛けた庭がいくつかありますが、こちらの「波心庭」も重森三玲によるものです。 この特別公開では、書院の2階からこの庭を眺めることができるようです。
南明院(東福寺塔頭)
10/30~11/7
光明院の南にあるのが南明院です。 豊臣秀吉の妹で、仲が良かった夫と離縁させられて家康に嫁いだ「旭姫」の菩提寺で、旭姫のお墓もあるようです。 本堂や庭の他、旭姫の肖像画などの寺宝が公開されるようです。
イベント 概要
期間:10/16~12/5で施設によって異なる
時間:9:00~16:00受付終了(東寺は8:00~16:30、長楽館は10:00~16:00)
料金:大人¥1,000、中高生¥500
京都非公開文化財特別公開 公式サイト