松江藩 第9代藩主「松平斉貴」のこと
美術などが好きな方だと、松江藩といえば、茶人大名として有名な松平治郷(まつだいらはるさと)、不昧公を思い浮かべますよね。 松平斉貴は、7代藩主治郷の孫で、9代藩主になった人物です。 治郷が亡くなったのが文政元年(1818年)で、斉貴は文化12年(1815年)生まれなので、治郷の晩年に生まれた嫡男で、きっと可愛がられたのではないでしょうか。(江戸と松江で会っていないかしら?)
8代藩主の斉恒が文政5年(1822年)に亡くなると、わずか7歳の斉貴が家督を継ぎます。 重代の家老が補佐をしますが、大人になると遊興に夢中になり、奔放な暮らしをしたようです。 少し放蕩が過ぎたようで、娘婿へ家督を譲っています。 頭がよく先見の明があった人物のようで、蘭学や化学を推奨したり、産業を奨励したりといった事績もあったんだそうです。
NARITAKE 松江藩主松平斉貴 展
今年は、松江城の天守が国宝に指定されて5年を迎え、その記念特別展のテーマが松平斉貴です。 地元では「やんちゃ殿さん」と呼ばれる斉貴は、西洋への造形が深く、西洋時計をコレクションしたり、天文図や地球儀なども多く所蔵していました。 鷹狩も大好きだったようで、鷹を手にする肖像画を描かせたり、鷹の絵を蒐集していたようです。 この展覧会では、事績と趣味の両方にスポットをあてて、斉貴が紹介されています。
この展覧会で観られる国宝
了菴清欲墨蹟 法語
不昧公の蒐集品は、松平家に伝わったものも多いですが、斉貴の孫にあたる松平直亮氏から、かなりの数が東京国立博物館に寄贈されています。 この墨蹟もその1つで、中国・元時代の禅僧「了庵清欲」によるものです。
松江城 天守
この展覧会で、というわけではないですが、松江歴史館は松江城のお堀端にありますので、ほとんどの来館者が目にするのではないでしょうか。
展覧会 概要
期間:2020/9/18~11/15
休館:10/15(木)
時間:8:30~17:00(9月は~18:30)
料金:一般¥600、小中生¥300
松江歴史館 公式サイト