※4/25~5/31まで休館のため、会期途中で終了
豊臣の美術 展
下級武士から関白太政大臣と、日本史上1番の出世を果たした豊臣秀吉は、京都に方広寺や聚楽第、大阪に大阪城を構えて政治や商業の中心地としました。 没後は「豊国大明神」として各地に祀られますが、大坂の陣での豊臣家滅亡で破却されてしまいます。 それでも秀吉の人気は高く、徳川方はとても用心していたようですが、今でも関西には「太閤びいき」が多いようですね。 歴史上では「桃山時代」、その前の信長の時代とあわせて「安土桃山時代」と呼ばれますが、2人の天下人の頭文字をとって「織豊時代(しょくほうじだい)」とも呼ばれます。
天下統一を果たした秀吉は、皇族や公家との文化交流、大名や富裕な町人との茶の湯、各地の寺社への寄進などを行い、その中から新しい文化や芸術がたくさん現れます。 今回は、4つのテーマで豊臣時代の名品が紹介されるようです。
1.豊国大明神
慶長3年(1598年)に秀吉が亡くなると、豊国大明神の神号で豊国神社に祀られます。 祭神としての秀吉の肖像画や神号、秀吉ゆかりの人たちの肖像や、秀吉によって華やかになった街を描いた屏風などが展示されます。
2.美麗無双
茶道具や刀剣は、その芸術的価値や所有した人物たちの箔によって価値が付き、「名物」更には「大名物」として珍重され、有力者はこれを集めることで力を誇示します。 このコーナーでは秀吉が所有した名物が並ぶようで、国宝の油滴天目茶碗をはじめとする唐物(中国製)茶道具や、梁楷や牧谿の絵画など室町時代からの名品、秀吉が所有したことで後に名物とされるものまで、幅広い時代の美術品が並びます。
3.大檀那豊臣
秀吉は名物を集めるだけでなく、多くの芸術家や職人のパトロンになって、新しい文化が作られてきました。 狩野永徳が手掛けたとされる大阪城や聚楽第の障壁画など、失われてしまったものも多いですが、寺社などに伝わって現存するゆかりの品々が集められています。 特に狩野派の絵画が充実していますね。
4.太閤追慕
日本史上最も豪華なお花見といわれる「醍醐の花見」や、秀吉の御所への参内や行幸、豊国神社の祭礼など、秀吉の催したイベントは今でも豪華さの代名詞になっています。 後世に華やかだった時代を追慕して描いた作品が並ぶようです。
この展覧会で観られる国宝
※4/25~5/31まで休館のため、会期途中で終了
国宝『油滴天目』[大阪市立東洋陶磁美術館]
4/3~4/25
同じ大阪市立の東洋陶磁美術館に所蔵されているので、大阪の人は観る機会が多いかもしれませんが、豊臣秀次→西本願寺→三井家→若狭酒井家と伝わった名品です。 天目茶碗というと曜変天目が有名ですが、油滴天目は名前の通り油の雫のような柄が全体に出て、曜変のような色は出ませんが、渋さの中に口の金覆輪が映える名品です。
国宝『紺紙金銀字一切経(中尊寺経)』[金剛峯寺/和歌山]
4/27~5/16
平安末期に奥州藤原氏が制作して中尊寺に納められた「中尊寺経」は、現在その大部分の4296巻が高野山にあります。 これは、豊臣による奥州仕置の時に、豊臣秀次が秀吉に上覧するということで持ち出されたのだそうです。 今回はその中から「文殊師利宝宝蔵陀羅尼経」が展示されます。
国宝『短刀 銘 左 筑州住(太閤左文字)』[ふくやま美術館/広島]
通期
正宗の弟子で筑前左文字派を興した左衛門三郎(安吉、源慶とも)による短刀で、秀吉が所有したので「太閤左文字」の名物号が付けられました。 徳川秀忠から紀州徳川家に伝わった名品です。
展覧会 概要
※4/25~5/31まで休館のため、会期途中で終了
期間:2021/4/3~5/16
時間:9:30~17:00(入館は30分前まで)
休館:月曜日(5/3は開館)
料金:一般¥1500、高大生¥1000
大阪市立美術館 公式サイト