鑑賞ログ|藝大コレクション展 2019前期@東京藝術大学大学美術館

鑑賞ログ|藝大コレクション展 2019前期@東京藝術大学大学美術館

藝大コレクション展 2019

美術・音楽教育の日本最高峰「東京藝術大学」は、上野公園の一番奥にあります。 東京国立博物館前の道をまっすぐ進むと、右に音楽学部、左に美術学部が広がりますが、美術学部の正門を入ってすぐ右手に美術館があります。 東京藝術大学の前身である「東京美術学校」時代からの蒐集品や、名だたる卒業生たちの作品など、3万点近くを所蔵しているのが大学美術館です。 

藝大コレクション展 2019

毎年春に「藝大コレクション展」として、コレクションの一部が公開されます。 前期・後期で大幅な展示替えがありますが、入場料が¥430(2019年)なので、余裕で両方観ちゃいましょう。 ちなみに、ぐるっとパスの割引も利用可能で、¥430が¥200割引かれるので¥230で名作の数々が観られて大変お得です。しかも、無料で6Pのパンフレットまで頂けますよ。

藝大コレクション展 2019 無料パンフレット

イギリスに学んだ画家たち

東京美術学校の教授も務めた黒田清輝をはじめ、日本の洋画家はフランスの影響が強いそうです。 ですが、イギリスに留学した画家や、イギリス絵画の影響を強く受けた画家もいて、今回は原撫松や南薫造などの作品が出展されています。

池大雅≪富士十二景図≫全点展示

池大雅が、富士山を12カ月の景色に折り込んで描いた12幅で、芸大は7幅を所蔵、滴翠美術館が4幅を所蔵し「9月」だけが行方不明でした。 それが見つかり、現在は芸大美術館の所蔵となりました。 

今回は全12幅のお披露目!ということで、滴翠美術館の4幅も揃って1月~12月までが順番に並んでいます。 分かりやすい四季の花で季節が表されているものもあれば、木々の茂り方や空気感で表現されたものもあります。 今回発見された「9月」以外の11幅には、縦に長く雨シミのようなものが入っています。 9月にはシミがないのと、全体的に色が明るいようです。

一緒に展示されているのは、この12幅を収めるための木箱ですが、箱書きは池大雅の奥様「池玉蘭」が書いています。 他にも、池玉蘭が亡くなるまで所有していたという、池大雅によるお手本帳の木版画帳などが展示されています。

名品:日本画

まず、今回のお目当てだった、当館所蔵の国宝『絵因果経』です。 奈良時代によく作られたもので、お釈迦様の前世と現世を、巻物の下半分に経文で書き、上半分には下の内容を絵で表現しています。 ちょっと素朴な画風でほっこりします。 しかし、千数百年の昔のものだというのにレプリカのように(失礼!)きれいに残っています。

浮世絵が十数点ありますが、内十点ほどは広重の名所百景からです。 「水道橋駿河台」は画面のほとんどが風にたなびく鯉のぼりで、季節のものでいいですね。 他は、池大雅の富士山十二景にちなんでか、富士山の入ったものが多いような気がします。

明治以降のものは、圧巻の芳崖筆「悲母観音」や、西郷孤月の「春暖」など、洋画の影響もあるダイナミックな作品が並びます。

名品:西洋画

藝大コレクション展はかなり大幅に前後期の展示替えがあるようですが、このコーナーは通期展示品が多いようです。

有名な、高橋由一筆「鮭」は何となく知ってる1枚ですが、本物を観たのは初めてです。 まさかこんなに大きいとは!実物大かそれ以上の大迫力です。  外国の景色や人物を描いた「いかにも洋画」といったものから、白瀧幾之助の「稽古」のように日本の題材を洋画で描いたものまで、明治期の作品が10点ほど展示されています。

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