西本願寺のこと
浄土真宗の総本山で、正式名称は「本願寺」だが、元は1つの宗派が分裂した真宗大谷派(東本願寺)と区別しやすいため「西本願寺」と呼ばれることが多い。 元は、東山にあった親鸞聖人の廟堂が発展したもので、焼き討ちや移転を経て、豊臣秀吉の京都整備で現在の地に移った。 聚楽第から移築された建造物が現存するなど、多くの文化財を現在まで伝えている。
国宝『黒書院・伝廊』
黒書院は、西本願寺の門主(浄土真宗本願寺派の管長)の私的な面会や寺務に使用した空間で、国宝『白書院』の東北部から伝廊でつながっている。 格調高い書院造りの白書院に対して、瀟洒な数寄屋造りで茶室なども備え、狩野探幽が水墨で描いた障壁画が残る。 原則として非公開で、特別公開などで白書院から庭の国宝『北能舞台』を眺めた時に、庭に向かって右手に見えるのが伝廊で、その先の建物が黒書院である。
この国宝を観るには
西本願寺では、親鸞聖人の命日である毎月16日を「Shinran’s Day(親鸞聖人の日)」として、10時からの法要参拝者は対面所や白書院の特別拝観にも参加できる。 白書院は非公開文化財の特別公開イベントもあるので、そのような際には伝廊の外観と黒書院の屋根は観ることができる。
文化財指定データ
【指定番号】00184
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【種別】近世以前/住宅
【指定名称】本願寺黒書院及び伝廊
【ふりがな】ほんがんじくろしょいんおよびでんろう
【国】日本
【時代・年】明暦3年(1657年)
【所在地】京都市下京区堀川通花屋町下る本願寺門前町
【重文指定日】1913.04.14
【国宝指定日】1956.06.28
【説明】西本願寺内にあり、白書院(既に国宝指定)の東北部につゞいている。明暦三年(一六五七)に造られたもので、数寄屋造風な書院造のうち特に意匠のすぐれたものである。
【台帳・管理ID】102_1825
【棟名】黒書院
【ふりがな】くろしょいん
【員数】1棟
【構造・形式】桁行正面六間、背面七間、梁間左側面四間、右側面六間、二重、寄棟造、
こけら葺
【台帳・管理ID】102_1826
【棟名】伝廊
【ふりがな】でんろう
【員数】1棟
【構造・形式】桁行四間、梁間二間、一重、両下造、こけら葺