教王護国寺(東寺)のこと
平安京の入口である羅城門の東側にあったため「東寺」と呼ばれるが、宗教法人としては「教王護国寺」となっている。 唐から戻った空海が嵯峨天皇から賜り、現在の『大師堂(御影堂)』に住して伽藍を整え、真言密教の中心地となっていく。 かつては羅城門の反対側に「西寺」もあったが、現在は碑しか残っていない。
国宝『金堂』
国宝の『金堂』は東寺の「本堂」にあたる建物で、本尊は薬師三尊像。 金堂の北側奥にある『講堂』は、立体曼陀羅が安置され密教の要素が強いが、金堂は顕教の要素が強い。
2階建のように見えるが下の屋根は「裳階(もこし)」と呼ばれる雨風除けの役割の装飾で1重の建物。 日本独特の様式「和様」と中国の「大仏様」が交ざった折衷様の建物で、東大寺大仏殿や平等院鳳凰堂のような小屋根が付いている。
金堂は寺の創建当時に建てられたが焼失しており、現在の建物は豊臣秀頼の寄進により慶長8年(1603年)に再建されたもの。 正門である南大門を入ってすぐの正面に建っている。 金堂の奥には立体曼陀羅で有名な講堂が、その奥には食堂(じきどう)が建っている。
この国宝を観るには
外からの拝観は、開門時間内なら無料でいつでも可能。 中に入るのは有料で、立体曼陀羅のある講堂と共通となる。
文化財指定データ
【台帳・管理ID】102-1833
出典:国指定文化財等データベース一部抜
【指定番号】00118
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】教王護国寺金堂
【ふりがな】きょうおうごこくじこんどう
【員数】1棟
【時代・年】慶長8年(1603年)
【構造・形式】桁行五間、梁間三間、一重もこし付、入母屋造、本瓦葺
【所有者】教王護国寺
【重文指定日】1897.12.28
【国宝指定日】1953.03.31
鑑賞ログ
東寺の一番手前にある「金堂」ですが、どうしてもその奥にある講堂の立体曼陀羅に気を取られて印象が薄いです。 さすがの立派さですが、東寺の中では顕教的な雰囲気。