国宝『燕子花図屏風』
伊勢物語の「東下り」がモチーフ。 東下りは、在原業平が東国に下る途中の三河国の八橋(愛知県知立市)で、妻を思う和歌を詠むというもの。 画にはカキツバタしか描かれていない。 光琳の作品には他にも、伊勢物語をモチーフにした国宝の『八橋蒔絵硯箱』もある。

この画は、屏風の金箔と花の群青色と葉の緑色の3色しか使われておらず、群青や緑は鉱石をくだいた岩絵の具が使われている。 花の一部には同じ型紙が使われ、全く同じ柄が2度登場している。
尾形光琳のこと
光琳は、京都の裕福な呉服屋「雁金屋」の二男として生まれる。 雁金屋は、茶々・初・江の浅井三姉妹にも呉服を納めていたような名店だったが、光琳の兄が継いだころには経営が傾いていた。 風流暮らしをしながら狩野派の絵画を学び、俵屋宗達に私淑して独自の画風を完成させ、40代には法橋の位も得ている。 弟は陶芸で有名な尾形乾山で、兄弟で合作もしている。
こちらで画像が見られます
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この国宝を観るには
所有する根津美術館で、毎年4~5月頃に出展されることが多い。
文化財登録データ
【台帳・管理ID】201-8
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00008-00
【種別】絵画
【指定名称】紙本金地著色燕子花図〈尾形光琳筆/六曲屏風〉
【員数】1双
【時代・年】江戸時代
【作者】尾形光琳
【所有者】根津美術館
【国宝指定日】1951.06.09