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国宝-絵画|破墨山水図(雪舟筆)[東京国立博物館]

国宝DB-絵画

雪舟等楊のこと

室町時代に京都の相国寺で修行した禅僧で、水墨画を学び画僧となる。 大名の大内氏について周防国(現在の山口県)に移り、明へ2年間の留学をする。 帰国後は現在の中国地方~九州で活躍し、絵のほかに作庭なども手掛けた。 作品も比較的多く残っており、6点が国宝に指定され、これは画家の中では点数が一番多い。

国宝『破墨山水図』

雪舟による水墨画で、上部2段には禅僧6人が賛(絵に書き入れる文章や詩)を書き、一番下の段は雪舟自らが賛を書いている。 このように、下部に水墨画を描き、上部にその絵にちなんだ漢詩などを書く様式を「詩画軸」といい、中国から伝わり日本の禅僧の間でも流行した。

これは、雪舟が修行を終えた弟子「如水宗淵」に描き与えたもので、賛には自身の経歴などが書かれている。 禅僧たちの賛は、後から如水が請うて書き足されたもの。 京都の相国寺の塔頭「慈照院」に伝来し、現在は東京国立博物館に収蔵されている。

画部分は「潑墨(はつぼく)」という、線を引かずに墨をそそいでぼかして画題に見立てる手法で描かれ、雪舟の自賛の中で「破墨」と書かれているため「破墨山水図」と呼ばれる。 墨の濃淡で、遠景と近景が描き分けられている。

この国宝を観るには

東京国立博物館の通常展や、展覧会へ出展されることもあり、数年に1度は公開される。

公開履歴

2024/4/13~5/26 京都国立博物館「雪舟伝説
2022/11/15~12/18 東京国立博物館 150周年「国宝 東京国立博物館のすべて
2021/2/10~3/14 岡山県立美術館「雪舟と玉堂―ふたりの里帰り
2018/4/13~5/6 東京国立博物館「名作誕生-つながる日本美術」
2018/10/3~10/22 京都国立博物館「池大雅‐天衣無縫の旅の画家」
2017/10/3~10/22 京都国立博物館「国宝展」

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-55
【指定番号】00050-00
【種別】絵画
【指定名称】紙本墨画山水図〈雪舟筆/〉
【ふりがな】しほんぼくがさんすいず
【員数】1幅
【時代・年】1495年
【ト書】明応四年の自賛がある/月翁周鏡等六僧の賛がある
【所在地】東京国立博物館
【国宝指定日】1952.01.22
【説明】雪舟の作品。画家自ら記した題があり、本図が1495年雪舟76歳の時に弟子の宋淵に与えたものという。題中に「破墨」の語があり、古来「破墨山水」の名で著名である。画上に月翁周鏡ら6僧の賛がある。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

※このページの画像は「研究情報アーカイブズ」のものを使用しています。

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