情報|岡山県立美術館「雪舟と玉堂―ふたりの里帰り」2021/2/10~3/14

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岡山県立美術館「雪舟と玉堂―ふたりの里帰り」

現在の岡山県(+広島県東部)は古くは「吉備国」と呼ばれ、大化の改新以降に律令制が導入されると、備前(岡山県南東部)・備中(岡山県西部)・備後(広島県東部)・美作(岡山県北東部)に分かれます。 江戸時代には備前岡山藩となり、長く池田氏が藩主をつとめました。 

その岡山城からほど近い「岡山県立美術館」で、岡山出身の2人の画家をテーマにした展覧会が開かれます。 室町時代の禅宗の画僧で、以降の日本絵画に大きな影響を与えた「雪舟」と、江戸時代の文人画家「浦上玉堂」で、2人の作品が全国から集結します。 2人とも水墨画の山水を得意としていて、この展覧会では師匠や弟子、交流のあった人物の作品も展示されるようなので、水墨画好きには早くも今年No1の展覧会になるかもしれません。

岡山県立美術館「雪舟と玉堂―ふたりの里帰り」チラシ

雪舟等楊のこと

室町時代に備中で生まれた雪舟は、幼い頃に京都の相国寺に入り、周文という画僧から絵を習ったといわれます。 周防国(山口県)の守護大名だった大内氏の庇護を受けて、遣明船で明時代の中国に渡って禅と絵を学びました。 50歳で帰国すると、山口県を拠点に各地を旅して、80歳台半ばで亡くなるまで数多くの絵を残しました。

浦上玉堂のこと

浦上玉堂は、江戸時代の中期に、備前岡山藩の支藩「鴨方藩」の藩士の家に生まれました。 7歳で家督を継ぎやがて大目付まで登りますが、50歳の時に2人の子を連れて脱藩すると、諸国を遊歴して文人たちと交わる風流暮らしをします。 七弦琴の名手で、手に入れた中国製の琴の銘「玉堂清韻」から、自らの号を「玉堂琴士」とし、晩年には独自の山水画を極めました。

この展覧会で観られる国宝

2百件近くある国宝に指定された絵画の中で、最も作品の多い画家が雪舟で、6件が国宝になっています。 浦上玉堂の国宝絵画1点と雪舟の絵画から何点かが出展され、合計7件の国宝が公開されますが、事前に判明しているのは5点なので、残りの2点は何が出るのか正式発表が楽しみです。

淡彩山水図(水色巒光図) 伝周文筆[奈良国立博物館]

展示期間:2/10~28

雪舟の師と伝わる「周文」が描いたと伝わる詩画軸で、賛に文安2年(1445年)とあるので、もしかすると25歳当時の雪舟も観たかもしれません。

秋冬山水図 雪舟筆[東京国立博物館]

展示期間:2/10~28

京都の曼殊院に伝来した小型の掛軸で、秋と冬の2幅が伝わっていますが、元は春夏秋冬の4幅だったのではないかといわれています。

国宝『秋冬山水図』部分(雪舟筆)画像は「研究情報アーカイブズ」から

破墨山水図 雪舟筆[東京国立博物館]

展示期間:3/2~3/14

枠線などを引いて物の形を描くのではなく、墨を垂らして出来た形から物に見立てる「潑墨(はつぼく)」という画法で書かれています。 上部の賛には雪舟自身のものもあるので「自画自賛」の1幅です。

国宝『破墨山水図』部分(雪舟筆)画像は「研究情報アーカイブズ」から

慧可断臂図 雪舟筆[齊年寺/愛知]

展示期間:通期

愛知県常滑市の「斉年寺」に伝わった禅画で、奥に背中を向けて座禅をする達磨に、弟子入りを願った僧「慧可」が、自分の腕を切って決意を伝えたという伝承を描いた、少し怖い絵です。

山水図 雪舟筆[個人蔵]

展示期間:通期

今回出展される国宝絵画の中で、この作品だけが地元岡山県のもので、大原美術館を創業した大原家の所蔵です。 下部に絵を描き、上部には複数の禅僧が漢詩などを書く「詩画軸」です。

四季山水図 雪舟筆[毛利博物館/山口]

展示期間:通期

武家の名門、毛利家の本邸に家伝来の美術品を展示する「毛利博物館」に所蔵されている絵画で、長さ16m近い長大な巻物です。 毎年秋に毛利博物館で公開されますが、他館への貸出は珍しいです。

凍雲篩雪図 浦上玉堂筆[川端康成記念会/神奈川]

展示期間:通期

ノーベル文学賞作家の川端康成は、古美術から現代アートまで美術コレクターとしても有名で、2件の国宝を所有していました。 浦上玉堂が東北の雪山をダイナミックに描いた作品です。

展覧会 概要

期間:2021/2/10~3/14
休日:2/15、3/1、3/8
時間:9:00~17:00(入館は30分前まで)
料金:一般¥1,500、大学・専門生¥1,000、高校生¥600、中学生以下無料
注意:新型コロナウィルス感染拡大防止のため「来館者カード」の記入提出が必要

岡山県立美術館 公式サイト

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