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国宝-絵画|花園天皇像(豪信筆)[長福寺/京都]

国宝DB-絵画

花園天皇のこと

鎌倉時代末期の第95代天皇で、両統迭立時代に後に北朝となる持明院統の伏見天皇の皇子で、大覚寺統の後二条天皇の皇太子となる。 後二条天皇の崩御で即位し、在位11年で後醍醐天皇に譲位する。 和漢の学に通じ、書画もよくしたといい、甥の皇太子への帝王教育で「誡太子書」などを著したり、風雅和歌集を編纂した。 出家後は、宗峰妙超や関山慧玄に参禅し、妙心寺を開いた。

国宝『花園天皇像』豪信筆

作者の「豪信」は、公家の藤原隆信から始まる「似絵(にせえ)」を得意とした家系の子孫で、「藤原隆信派」と呼ばれる画流の最後の人物である。 出家して法印の位を授かり、花園上皇のサロンで絵画を制作した。

後ろ襟が高く後頭部を覆う「僧綱襟」の法衣に袈裟を着けた花園上皇を、柔らかな彩色で写実的に描いている。 引き目鉤鼻で理想を絵画に投影した平安時代から、鎌倉時代に入るとモデル本人の特徴を描き分ける「似絵」が流行し、この肖像画でも垂れた目じりにやや受け口といった個性がよく描かれている。

賛は花園上皇自身が書き「予之陋質法印豪信故為信卿息図所也」は「自分のいやらしさは、亡くなった為信卿の子息の豪信法印が描き表している」といった意味となる。 賛には「于時暦応改元無射之候也」と続き、暦応元年(1338年)9月に書かれたことがわかる。

この国宝を観るには

京都国立博物館に寄託されているが、公開されることが少ない。 特別展などに出展されることがある。

公開履歴

2023/11/7~12/3 東京国立博物館「やまと絵
2020/11/3~11/23 京都国立博物館「皇室の名宝
2017/10/31~11/12 京都国立博物館「国宝展」

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-96
【指定番号】00093-00
【種別】絵画
【指定名称】紙本著色花園天皇像〈豪信筆/〉
【員数】1幅
【時代・年】1338年
【作者】豪信
【ト書】暦応元年の宸翰記文がある
【所有者】長福寺
【国宝指定日】1953.11.14

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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