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情報|京都国立博物館「皇室の名宝」2020/10/10~11/23[京都]

情報-博物館・美術館

御即位記念 特別展「皇室の名宝」

昨年は、御代替わりで新元号「令和」になって、美術館博物館でも関連の展覧会が多く開かれました。 記念展覧会もいよいよラストでしょうか、長く都のあった京都で「皇室の名宝」という展覧会が開かれます。

「皇室の名宝」と銘打たれていますが、リストを見ると国宝や重要文化財の数は多くありません。 実は皇室の所有や宮内庁が管理をしている文物は、国宝や重要文化財には指定されないんです(世界遺産登録の関係で『正倉院』のみ国宝に指定)。 宮内庁の管理する美術品などは「三の丸尚蔵館」の管理になり、保護するまでもなくしっかり管理されているので、文化財に指定する必要なし、ということらしいです。

京都国立博物館「皇室の名宝」チラシ

中国の書聖「王羲之」の搨本「喪乱帖」や、20巻揃った「春日権現験記絵」、狩野永徳の「源氏物語図屏風」など、民間にあれば国宝ではという名品揃いです。 その時代も幅広く、平安初期の空海筆と伝わる書から、応挙や若冲など江戸後期の作品まで、日本のものだけでなく中国の作品も多く、古くは唐時代から18世紀の清王朝まで、各時代を代表する書画が並びます。

京都国立博物館「皇室の名宝」チラシ

皇室の所有した名品だけでなく、天皇の肖像画や宸翰、後宮の調度など、天皇の姿や暮らしが窺える展示も、王朝ファンにはグッときます。 その他、即位の詳細を記した資料も展示されるようで、東京国立博物館でも即位記念の特別展示がありましたが、TVで見た即位の儀式や大嘗祭の図絵は、これがあるからあの儀式が執り行えるのかと感心しきりでした。 令和の儀式で使用された大嘗祭の「悠紀・主基屏風」は、現代らしく農村を軽トラが走るかわいらしいものです。

飛香舎(藤壺)調度[東京国立博物館]
飛香舎(藤壺)調度[東京国立博物館]

三の丸尚蔵館[東京]

皇室の所有品は「御物(ぎょぶつ)」と呼ばれ、宮内庁管轄の品物とともに国宝や重要文化財としての指定は受けませんが、まさに「国宝級」のものがたくさんあります。 皇室に代々伝わる美術品やゆかりの品を展示する空間として、平成5年にオープンしたのがこちらの「尚蔵館」です。 展示室が1室のこじんまりした博物館ですが、企画展が年にいくつか企画され、一般の美術館・博物館では観られない貴重なものが観られます。

皇居東御苑 大手門

この展覧会で観られる国宝

芦手絵和漢朗詠抄

※前後期で展示替えあり

芦手絵は、風景の一部に溶け込ませるように文字を散らしたもので、遊び心あふれた雅なものです。 藤原公任が和歌と漢詩を編纂した「和漢朗詠抄」を、芦手絵の手法で書いています。

万葉集巻第九残巻 藍紙本

前期(10/10~11/1)

藍色に染められた紙に書かれた万葉集の古写本で「藍紙本」と呼ばれる、五大万葉集の1つです。 芦手絵和漢朗詠抄と共に、腹三渓の旧蔵品だったものです。

山水屏風

後期(11/3~11/23)

元は東寺で行われる伝法灌頂の儀式で使用された小型の屏風で、やまと絵の技法で中国風の人物や風景を描く「唐絵」です。 現在は、京都国立博物館の所蔵ですが、公開されることの少ない貴重な品です。

花園天皇像 豪信筆[長福寺/京都]

後期(11/3~11/23)

鎌倉時代に流行した、人物の目鼻立ちを特徴をとらえて描き分ける「似絵(にせえ)」の家系だった「藤原豪信」による花園天皇の肖像画です。 この絵の賛(画中に書かれる文章など)は、花園天皇の宸翰(自筆)です。

展覧会 概要

※この展覧会は、日時を指定してのオンライン事前予約制です。

日程:2020/10/10~11/23
休日:毎月曜日(11/23は開館)
時間:9:30~18:00(入館は30分前まで)
料金:一般¥1,800、大学生¥1,200、高校生¥700
公式サイト:https://meiho2020.jp/index.html

前期分の予約:9/25(金)10:00~予約開始
後期分の予約:10/20(火)10:00~予約開始

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