国宝『華厳五十五所絵巻』
華厳宗の中心的な経典「華厳経」の入法界品(にゅうほっかいぼん)に書かれる、善財童子の善知識歴参を絵画化したもの。 善知識とは、仏法を知る師や友人のことで、善財童子が文殊菩薩の勧めに従って各地の善知識を訪ね歩き、最後に再開した文殊菩薩を重複して数えると55か所になる。 かつては全場面が揃う巻物だったが、一部が分断され流失し、各博物館等に収蔵され重要文化財に指定されている。
平安末期~鎌倉時代に制作されたもので、墨の線と大半が淡い色彩で仕上げられ、人物と背景で墨の濃淡や線の太細を使い分けている。 絵巻物は、絵画部分と詞書部分が交互に配置されることが多いが、これは絵画の中に枠が作られ賛のように詞書が書かれている。
この国宝を観るには
あまり公開はされないが、東大寺ミュージアムに出展されることがある。
公開履歴
2021/10/1~11/16 東大寺ミュージアム「開館10周年記念特別公開」
2017/10/17~10/29 京都国立博物館「国宝」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-144
出典:国指定文化財等データベース一部抜
【指定番号】00138-00
【種別】絵画
【指定名称】紙本著色華厳五十五所絵巻
【員数】1巻
【国】日本
【時代・年】平安時代
【ト書】(寄位修行相十信位一段・同十住位十段・同十行位十段・同十地位十段、会縁入実相六段)
【所有者】東大寺
【国宝指定日】1961.04.27
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