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国宝-彫刻|四天王立像[東大寺戒壇堂/奈良]

国宝DB-彫刻

戒壇堂のこと

戒壇とは、僧や在家信者が正式に仏弟子となるために「戒律」を授ける儀式を行う場所で、鑑真が来日すると大仏殿前の戒壇で、聖武上皇や光明皇后らに受戒をした。 翌年の天平勝宝7年(755年)には、戒壇のための戒壇堂が建立され、大宰府の観世音寺、下野(栃木)の薬師寺とで「三戒壇」とされた。

創建当時は、戒壇堂のほかにも堂宇があり「戒壇院」とされていたが、戦火や火災で焼失しており、現在の戒壇堂は江戸時代に再建されたもの。 令和2年(2020年)から3年計画で、耐震や修復の工事に入るため拝観中止となり、四天王像は東大寺ミュージアムで公開される。

国宝『四天王立像』

戒壇堂内には、その床の大部分を占める大型の基壇が置かれ、中央には釈迦如来と多宝如来を安置する多宝塔が置かれている。 四天王立像は、その四隅に安置され、基壇の再外側を歩いて拝観することができる。

奈良時代に作られた塑像(土や粘土で作った像)で、像高は160~170cmとほぼ等身の大きさで作られる。 現在は白土になっているが、作られた当時は彩色がされ、甲冑などは中央アジアの様式がみられる。 戒壇堂の建立当初は、金銅製の四天王像が置かれたと記録にあり、この像が元はどこにあったものか記録にないが、『法華堂』の壇上の痕跡と一致するため、関連が指摘されている。

東大寺戒壇堂 国宝『四天王立像』持国天
東大寺戒壇堂 国宝『四天王立像』増長天
東大寺戒壇堂 国宝『四天王立像』広目天
東大寺戒壇堂 国宝『四天王立像』多聞天

この国宝を観るには

戒壇堂は、通年公開されているので、時間内なら観ることができる。

※2020年7月~3年の修復工事に入るため、戒壇堂は拝観中止となり、四天王立像は「東大寺ミュージアム」で観ることができる。

→2023/8/28から東大寺ミュージアムは臨時閉館となり、四天王立像は2023/10/1~戒壇堂で拝観再開予定

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-195
【指定番号】00034-00
【種別】彫刻
【指定名称】塑造四天王立像〈/(所在戒壇堂)〉
【ふりがな】そぞうしてんのうりゅうぞう
【員数】4躯
【国】日本
【時代・年】奈良時代
【所有者】東大寺
【国宝指定日】1952.03.29

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

鑑賞ログ

2019年1月

よくポスターや雑誌の表紙になっている渋イケメンの四天王様です。 戒壇堂は、大仏殿から西に200mほどのところにあって、人より鹿の方が多いくらい静かな場所です。 

行ったときは他に誰もおらず、係の方が丁寧に説明してくださって、何十分かお話を伺えました。 奈良時代の仏教では、四天王がとても重要視されていたこと、なので古い時代のお寺の正式名称には「四天王」が含まれることなど。 疫病や災害も多くて、政権や治安も安定していなかった頃に「国を護る」が重要だったんですね。 この四天王は皆さんキリリとかっこよく、日本をしっかり護ってくれそうです。

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