国宝『太刀 銘 国宗』
鎌倉時代中期に備前で活躍した「国宗(くにむね)」は、備前国(現在の岡山県)直宗派の刀工で、直宗の子「国真」の三男だったので「備前三郎」と呼ばれた。 後に北条時頼に招かれて関東に移り、相州伝の創始者とされる新藤五国光に作刀を教える。 銘を「国宗」と入れるものが多く、この太刀を含め4口が国宝に指定されている。
尾張徳川家の2代目藩主となった光友が、高須藩(現在の岐阜県海津市)藩主となった次男の義行に与え、後に同家から義淳が尾張徳川家を継ぐ時に、再び尾張徳川家の所有となった。
国宗作の国宝刀剣
太刀 銘 国宗[東照宮/栃木]
太刀 銘 国宗[ふくやま美術館/広島]
太刀 銘 国宗[徳川美術館/愛知]※このページ
太刀 銘 国宗[照国神社/鹿児島]
この国宝を観るには
所蔵する徳川美術館の展覧会や名品コレクションでの展示で、数年に1度は公開されている。
公開履歴
2022/1/4~3/27 徳川美術館 名品コレクション
2019/9/18~11/10 徳川美術館 名品コレクション
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-437
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00143-00
【種別】工芸品
【指定名称】太刀〈銘国宗/〉
【ふりがな】たち〈めいくにむね〉
【員数】1口
【国】日本
【時代・年】鎌倉時代
【作者】国宗
【寸法・重量】身長80.1cm、反り2.5cm、元幅3.0cm、先幅2.1cm、鋒長3.5cm、茎長19.1cm
【品質・形状】鎬造、庵棟、磨り上げながら腰反高く、中鋒。鍛小板目肌約り、乱映り立ち、刃文丁子に互の目交じり、小沸つき、足葉頻りに入り、表裏物打上や、出来淋しく匂口も沈む。
【画賛・銘等】「國宗」
【所有者】徳川美術館
【重文指定日】1953.11.14
【国宝指定日】1954.03.20
【説明】備前から相州へ移住したと伝える備前三郎国宗の作で、僅かに磨り上げてはいるが、丁子乱れを主体に互の目を交えた、同工の得意の作風を最もよく発揮した出来である。