誉田八幡宮のこと
宮内庁によって、応神天皇陵に比定されている「誉田御廟山古墳(こんだごびょうやまこふん)」は、東北東を向いた前方後円墳で、大山古墳(仁徳天皇陵に比定)に次ぐ2番目の大きさ。
日本書紀では、応神天皇の諱は「誉田別尊(ほんだわけのみこと)」とされる。 応神天皇と同一とされる八幡神をまつる八幡宮は、武家の尊崇が厚く、誉田八幡宮は日本最古の八幡宮とされる。
後円部の南側にある誉田八幡宮は、応神天皇を主祭神とし、欽明天皇の勅願で社殿が建立される。 境内から古墳に向けて、石の太鼓橋がかけられており、 9月の大祭では神輿が渡御する。
国宝『塵地螺鈿金銅装神輿』
塵地螺鈿金銅装神輿(ちりじらでんこんどうそうしんよ)は、漆に金属粉を巻き更に透明漆を塗って研ぎだした「塵地」に、螺鈿で装飾をし、軒先や屋根には金銅製の飾り金具がついている。 四方には錦織の布がかけられ、寺院の装飾に使われる幡や、透かし彫りの装飾がついた鏡が下げられる。 屋根上には鳳凰が据えられている。
源氏一族は、武門の神である八幡神を厚く信仰し、建久7年(1196年)には源頼朝が誉田八幡宮の社殿を造営しており、この神輿もそれに近い頃に頼朝が寄進したと伝わる。 漆工・金工・染色・建築と、当時の最高峰の技を集めて作られている。
この国宝を観るには
境内の宝物庫に収蔵されており、週に一度の開館日には観ることができる。 開館日時は、毎週土曜日13:00~16:00で、社務所で声をかけ¥400支払うと、宝物庫の鍵を開けてもらえる。 誉田八幡宮が所有するもう1件の国宝『金銅透彫鞍金具』も観ることができる。
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-480
出典:国指定文化財等データベース 一部抜粋
【指定番号】00189-00
【種別】工芸品
【指定名称】塵地螺鈿金銅装神輿
【ふりがな】
【員数】1基
【国】日本
【時代・年】鎌倉時代
【所有者】誉田八幡宮
【国宝指定日】1956.06.28