大聖武とは
奈良時代の有名な写経で、聖武天皇が直筆で写経をしたという伝承があり、当時の他の写経より文字が大きかったので「大聖武」と通称される。 実際の筆者は、写経生などではないかと考えられている。 大聖武は非常に珍重され、古筆名筆を貼り交ぜる「手鑑」の巻頭に貼られ、有力者のステータスにもなっていた。
料紙は、当時一般的に写経に用いた黄麻紙ではなく、荼毘紙(だびし)という檀(まゆみ)から作られた白い料紙が使われた。 字粒も、当時の標準では1行あたり17文字だったが、大聖武は1行が12~13字の大字で書かれた贅沢なものであった。
国宝『賢愚経 巻第十五』
大聖武は、元は東大寺の戒壇院にあったものだが、鎌倉~室町時代頃には流出し、多くが断簡にされている。 東大寺に伝わる第15巻は、一部を欠損するが1巻の大部分が残ってる貴重なもの。
国宝に指定された『大聖武』
1951年指定 賢愚経 巻第15[東大寺/奈良]※このページ
1956年指定 賢愚経残巻3巻[前田育徳会]
1957年指定 賢愚経 残巻[東京国立博物館]
1964年指定 賢愚経 残巻[白鶴美術館]
この国宝を観るには
公開されることが非常に少ない。
公開履歴
2022/12/10〜2023/1/22 奈良国立博物館「珠玉の仏教美術」
2010/10/8~12/12 東京国立博物館「東大寺大仏―天平の至宝―」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-594
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00051-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】賢愚経巻第十五(四百四十二行)
【ふりがな】けんぐきょうかんだいじゅうご
【員数】1巻
【時代・年】奈良時代
【所有者】東大寺
【国宝指定日】1951.06.09