国宝『紺紙金字一切経』
中尊寺経は、平安時代後期に東北地方で勢力を持った、藤原清衡(きよひら)・基衡(もとひら)・秀衡(ひでひら)の3代によって、天治3年(1126年)に創建された中尊寺に奉納された供養経。 寺外に流出したものも多く、中尊寺に残る2,739巻が一括で国宝に指定されている。
清衡発願の経巻は、金字と銀字が一行ずつ交互に書写され、大部分が流出しており、中尊寺には15巻のみが残る。 高野山金剛峰寺に伝わる『金銀字一切経』4,296巻は国宝に指定され、他は観心寺などに分蔵されている。
金銀字15巻以外の2,724巻は、紺紙に金泥で書写された一切経で、3代秀衡の発願によるもの。 見返し(巻紙の端から1行目の間)には、経典の内容に関連する仏画のほか、人物や山水などが描かれたものもある。 巻末に、書写の年月や奉納の背景、写した人物などを記す「奥書」が書かれたものもあり、歴史資料としても貴重。 漆塗の経箱275合が、附として国宝に指定されている。
この国宝を観るには
中尊寺の宝物館「讃衡蔵」で公開されるが、レプリカが展示されることもあるよう。 寺外での展示はそれほど多くない。
寺外での公開
2024/1/23~4/14 東京国立博物館「中尊寺金色堂」
2022/4/12~5/22 京都国立博物館「最澄と天台宗のすべて」
2022/2/8~2/27 九州国立博物館「最澄と天台宗のすべて」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-600
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00058-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】紺紙金字一切経〈(内十五巻 金銀交書経)/〉
【ふりがな】こんしきんじいっさいきょう
【員数】2739巻
【時代・年】平安時代
【附指定】漆塗箱 275合
【所有者】大長寿院
【国宝指定日】1952.03.29