国宝『浄名玄論』
浄名玄論(じょうみょうげんろん)は、随~唐時代の僧「嘉祥大師吉蔵」が書いた、維摩経についての研究書。 嘉祥大師吉蔵は、南都六宗の1つとして日本でも盛んだった「三論宗」を大成した人物。
8巻が国宝に指定されているが、巻第1・2・5は後補で、巻第4・6の巻末の奥書に慶雲3年12月(707年)とあり、巻第3・7・8も同時代の書写だと推測される。 書写年の判明している写経の中では、現在は京都国立博物館が所蔵する国宝『金剛場陀羅尼経』に次ぐ古いもの。
東大寺に伝わったもので、京都国立博物館の館長を務めた神田喜一郎氏の所有から、現在は京都国立博物館の所蔵となっている。
この国宝を観るには
あまり頻繁ではないが、京都国立博物館で公開されたり、他館の展覧会に出展されることもある。
公開履歴
2023/11/7~11/28 大谷大学博物館「古典籍の魅力2023」
2023/8/8~9/18 京都国立博物館「日中 書の名品」
2021/2/4~2/28 京都国立博物館「日本書紀」
2017/10/31~11/5 京都国立博物館「国宝」
2015/8/18~8/27 奈良国立博物館「白鳳 -花ひらく仏教美術-」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-770
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00265-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】浄名玄論
【ふりがな】じょうみょうげんろん
【員数】8巻
【国】日本
【時代・年】飛鳥時代
【ト書】巻第四、第六慶雲三年十二月書写奥書
【所在地】京都国立博物館
【国宝指定日】1974.06.08
【説明】巻第四に「慶雲参年十二月伍日記」巻第六に「慶雲三年十二月八日記」の奥書を有し、巻第三、七八も同時代の書写である。いずれも麻紙に墨界を施して、本文は一行二十九乃至三十五字、その書風は六朝風の勁抜な書体で、すこぶる古体を存して注目される。書写年紀を明らかにする古写経として金剛場陀羅尼経(国宝・小川家蔵)とともにわが国写経史上稀有の遺品である。なお、巻第一は平安前期、第二、五は鎌倉時代の補写である。