延喜式(九條家本)[東京国立博物館]

延喜式(九條家本)[東京国立博物館]

延喜式とは

「律令」とは古い時代の東アジアの法律で、日本では701年に制定された「大宝律令」などが有名。「式」は律令を施行する為の細かいルールを定めたもので、この『延喜式』は元号が「延喜」の頃に醍醐天皇(延喜の帝)の命により編纂が始められたので、この名で呼ばれている。 律令の補助として「格」も定められ、式とあわせて「格式」といわれる。

国宝『延喜式』(九條家本)[東京国立博物館]

905年に始められた延喜式の編纂は、藤原時平などが中心となって行われ、22年後の927年に完成する。 弘仁格式・貞観格式とこの延喜格式の3つで「三大格式」と呼ばれるが、延喜式より更に古い時代の弘仁は一部のみ、弘仁よりやや新しい貞観は現存しておらず、延喜式も原本は現存しない。

国宝『延喜式』第一巻の冒頭

国宝『延喜式(九條家本)』

書写された中で一番古いのがこの『延喜式(九條家本)』で、全50巻あったという延喜式のうち、平安時代後期に書写された27巻が残っている。 藤原摂関家の「九条家」に伝来したものなので「九條家本(九条家本)」と呼ばれる。

国宝『延喜式』第一巻の中盤 春日神四座祭に関する記述

文化財登録データ

【台帳・管理ID】201-773
【指定番号】00268-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】延喜式(九條家本)
【ふりがな】えんぎしき
【員数】27巻
【国】日本
【時代・年】平安時代
【寸法・重量】第一巻:縦29.6cm、全長9.45m、紙数23
【ト書】内二十四巻紙背文書
【附指定】京程並京宮城内裏諸図1巻(南北朝時代)
【所在地】東京国立博物館
【国宝指定日】1981.06.09
【説明】延喜式(五十巻)は、醍醐天皇の勅を奉じ、藤原忠平等が弘仁・貞観の二式を集大成し、延長五年(九二七)撰進したもので、奈良・平安時代の国家制度を知る根本法典とされている。この九條家本は、摂関家であった九条家に伝来した古写本で、途中に欠巻はあるが神祇式から内膳司式に至る二十七巻を存し、まとまった古鈔本としては現存最古本である。本文の体裁は必ずしも同一でなく、筆跡も分かれ、巻第七のように重複した巻次もあるが、ほぼ同時代の成立と認められる。ほぼ全巻に亙って加えられた朱墨の仮名は、平安・鎌倉時代の読法を伝えて国語学上にも貴重である。紙背の文書は、康保三年(九六六)から承保元年(一〇七四)に至るおよそ百八十九通で、寛弘元年讃岐国戸籍、上野国交替実録帳、康保三年清胤王書状など伝来稀有な文書が多く、平安時代の史料として学術的価値が高く、名家筆跡も含まれている。
 附の一巻は、延喜式(京職式)に定める京程に左京、宮城以下の諸図を加えたもので、南北朝時代の書写であるがその内容は平安時代における左右京、大内裏、内裏等の姿を伝えている。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

鑑賞ログ 2019.01.25

東京国立博物館の国宝室で鑑賞。 九条家に伝わる現存最古の写本ということですが、公の文章だからかとても読みやすい書き方がされています。 今回は「神祇官」(祭祀関係を司る官職・官庁)に関する事が定められた第1巻が公開されました。

序文のところは当時の役人でしょうか?役職や人名や階位などが記載されていて、「藤原朝臣時平」などの名前も見えます。 中頃からは祭の詳細が書かれているようで、「春日神四座祭」のタイトルに供物の詳細が細かく書かれています。 延喜式はこの国宝室で時々公開されるので、別の巻も見ていきたいです。

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