国宝『智証大師諡号勅書』
正式名称は『円珍贈法印大和尚位並智証大師諡号勅書』で、延暦寺の最高位で三井寺の再興にも尽くした僧侶「円珍」が亡くなった後に、僧侶の位「法印大和尚位」と、諡号「智証大師」を贈るという醍醐天皇からの勅書。
能筆家で「三跡」の1人である「小野道風」が、34歳の時に書いたもので、草書が交ざる行書で書かれている。 日本独特の書道の様式「和様」と呼ばれるスタイルを作った「小野道風」らしい重厚な筆跡。 紙は縹色という薄い青色に染められた紙で 、勅書(=天皇の命令)なので、天皇の印である「天皇御璽」が多数押されている。
小野道風とは
清書したのが「小野道風」で、花札の雨の札に描かれている人物。 醍醐天皇から冷泉天皇まで4代の天皇に仕え、中務省に所属し宮中の文書を書くことを仕事とした。 空海などの「三筆」後の平安時代中期の能書家3人、小野道風・藤原佐理・藤原行成で「三跡」と呼ばれる。
この国宝を観るには
特別展への出展や、所蔵する東京国立博物館で公開されることもある。
公開履歴
2024/5/14~6/9 東京国立博物館 国宝室
2022/10/18~11/13 東京国立博物館 150周年「国宝 東京国立博物館のすべて」
2022/5/3~5/22 京都国立博物館「最澄と天台宗のすべて」
2019/1/16~2/24 東京国立博物館「顔真卿 王羲之を超えた名筆」
2018/2/27~4/8 九州国立博物館「王羲之と日本の書」
2015/12/8~2016/1/17 東京国立博物館
2013/7/13~9/8 東京国立博物館「和様の書」
2012/1/2~2/5 東京国立博物館
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-780
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00005-00
【種別】古文書
【指定名称】円珍贈法印大和尚位並智証大師諡号勅書〈(縹紙)/(延長五年十二月廿七日)〉
【ふりがな】えんちんぞうほういんだいおしょういならびにちしょうだいししごうちょくしょ
【員数】1巻
【時代・年】延長5年(927年)
【作者】小野道風筆
【所在地】東京国立博物館
【国宝指定日】1952.03.29
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