後二条殿とは
平安末期の公卿で、藤原北家御堂流の「藤原師通(ふじわらのもろみち)」は、堀川天皇の御代に父から関白職を譲られ、藤原氏の氏長者となり、後に従一位まで登る。 「後二条殿」「後二条関白」などと呼ばれた。 白河上皇の院政と対立することもあり、摂関家の体制維持に努め、僧兵らの強訴にも強い態度で接した。
藤原道長 - 藤原頼通 - 藤原師実 - 藤原師通 - 藤原忠実 - 藤原頼長
国宝『後二条殿記』
藤原師通による日記で、内大臣に叙されてから関白在任中の38歳で病没する数日前まで記された。 その内約5年分は失われているが、1巻は師通による自筆本が残り、他29巻は孫の藤原頼長が書写させた平安時代の古写本。 後二条殿記のほか、「後二条関白記」「師通公記」などとも呼ばれる。
内容は公私にわたり、貴族階級の日常生活が垣間見えたり、詳細に記された宮廷の儀式の記載は、貴重な歴史資料にもなっている。
この国宝を観るには
所蔵する陽明文庫には一般向けの公開施設は無く、博物館などの特別展で公開されることがある。
公開履歴
2023/9/16~10/15 MIHO MUSEUM「金峯山の遺宝と神仏」
2022/10/8~12/4 京都文化博物館「陽明文庫の名宝」
2015/9/19~11/15 京都文化博物館「陽明文庫の名宝5」
2014/4/15~5/11 九州国立博物館「近衛家の国宝」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-817
【指定番号】00043-00
【種別】古文書
【指定名称】後二条殿記〈自筆本一巻/古写本二十九巻〉
【ふりがな】ごにじょうどのき
【員数】30巻
【時代・年】平安時代
【所有者】陽明文庫
【国宝指定日】1952.03.29