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国宝-書跡典籍|宋版後漢書(慶元刊本)[国立歴史民俗博物館/千葉]

国宝DB-書跡・典籍

宋版とは

日本の平安後期~鎌倉時代頃に相当する、中国の「宋」時代には、印刷の技術が発達して非常に多くの出版物が印刷される。 この時代に印刷された出版物が「宋版」で、木版だがクオリティが高く、日本にも数多く入り寺院や文庫などに伝わっている。

国宝『宋版後漢書(慶元刊本)』

古代中国の王朝で、前漢の後に1代のみの「新」を滅ぼして成立した「後漢」は、西暦25年から220年に魏に滅ぼされるまで続いた。 この後漢書は、5世紀に活躍した政治家で学者の「范曄(はんよう)」によって編纂された後漢朝の歴史書。 後漢書の「東夷伝」には、日本や卑弥呼に関する記載があり、内容が魏志倭人伝と重なるため、魏志倭人伝を参考にしたとする説もあるが、後漢書のみに記された記載もある。

中国・南宋時代の慶元年間に建安で発行され日本に伝わり、現在61冊が残っている。 国立歴史民俗博物館の所蔵で国宝に指定された『宋版史記』や『宋版漢書』と共に、米沢上杉藩の家老「直江兼続」が手に入れ、藩校の「興譲館」で保管されたもので「上杉本」とも呼ばれる。

国宝『宋版後漢書(慶元刊本)』のレプリカ
国宝『宋版後漢書(慶元刊本)』レプリカ 倭や卑弥呼の記載がある

この国宝を観るには

千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館に所蔵されており、中世に関する総合展示コーナーで公開されることがある。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-10288
【指定番号】00260-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】宋版後漢書(慶元刊本)
【ふりがな】そうはんごかんじょ
【員数】60冊
【国】中国
【時代・年】南宋時代
【所在地】国立歴史民俗博物館
【国宝指定日】1967.06.15
【説明】前漢書、後漢書各百二十巻の、南宋慶元年間(一一九五-一二〇〇)の刊本で、全巻完存する上印刷も鮮明である。昨年国宝指定の同家蔵宋版史記とも同版で、元来三部一具のものであろう。あわせて中国古代史研究の貴重なテキストである。米沢藩藩黌【はんこう】興譲館に伝来した。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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