国宝『両界曼荼羅図』
曼荼羅はサンスクリット語のmandalaを音訳したもので、仏の世界の真理を図様化したもの。 両界曼荼羅は、真言密教で特に重要視される経典「大日経」と「金剛頂経」から成立した「胎蔵界曼荼羅」と「金剛界曼荼羅」を指し、どちらも宇宙の中心とされる大日如来を中心にしている。 真言宗に伝わる両部の由来は、藤田美術館所蔵の国宝『両部大経感得図』に描かれている。
中心に大きく大日如来を置き、そこから外側に向かって像が小さく描かれるのが「胎蔵界曼荼羅」、9つのブロックそれぞれの中心に大日如来を置くのが「金剛界曼荼羅」
9世紀後期頃に作られ、彩色されたものでは現存する最古の両界曼荼羅で、空海が唐から請来した曼荼羅を元に、制作されたと考えられる。 宮中の真言院で行われた「後七日御修法(ごしちにちみしほ)」で掛けられたと伝わるので、伝真言院曼荼羅と呼ばれる。 東寺の西院に伝来した記録があることから、西院曼荼羅ともいう。
この国宝を観るには
公開されることが少ないが、数年に1度は博物館での特別展や、東寺の宝物館で公開される。
公開履歴
2024/4/13~5/12 奈良国立博物館「空海 KUKAI」
2023/9/20~10/21 東寺 宝物館「東寺の宝物をまもり伝える」
2019/4/23~5/6 東京国立博物館「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅展」
2017/10/31~11/26 京都国立博物館「国宝展」
2015/3/20~5/25 東寺 宝物館
2011/7/20~9/25 東京国立博物館 「空海と密教美術」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-95
出典:国指定文化財等データベース一部抜
【指定番号】00092-00
【種別】絵画
【指定名称】絹本著色両界曼荼羅図〈/(伝真言院曼荼羅)〉
【ふりがな】けんぽんちゃくしょくりょうがいまんだらず
【員数】2幅
【国】日本
【時代・年】平安時代
【所有者】教王護国寺(東寺)
【国宝指定日】1953.02.14