国宝『桃鳩図』
風流が過ぎて北宋が滅びたという皇帝 「徽宗」の作だと言われている。 足利義満が所蔵を示す「天山」の印がある東山御物で、明治時代には井上馨が所持していた。 現在は個人蔵となっており、まれに美術館の特別展に出品される程度なので、観る機会があれば見逃さないようにしたい。 澁澤龍彦の「ドラコニア綺譚集」にこの画についての記述がある。
桃鳩図は30cm弱の色紙程度のサイズで、現在は掛け軸になっている。 花の咲いた桃の小枝に鳩がとまっているところを描いたもの。 徽宗が26歳の時に描いたと伝わり、その説によると1107年の作となる。
山梨県久遠寺所蔵の国宝『夏景山水図』や、京都南禅寺の塔頭金地院所蔵の国宝『秋景冬景山水図』(元は一連の作品だったと思われる)を、徽宗の作とする説がある。
この国宝を観るには
現在は個人蔵で美術館などに出展されることは少ない。 10年に1度ほど、短期間だけ展覧会に出されることがあるので、観られる機会は逃さないようにしたい。
公開履歴
2023/12/1~12/3 根津美術館「北宋書画精華」
2022/11/3~6 京都国立博物館「京に生きる文化-茶の湯-」
2014/11/18~11/24 三井記念美術館「東山御物の美」
2004/4/29~5/5 根津美術館「南宋絵画―才情雅致の世界―」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-6
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00006-0
【種別】絵画
【指定名称】絹本著色桃鳩図〈徽宗筆/大観元年の年記がある〉
【ふりがな】けんぽんちゃくしょくももはとず
【員数】1幅
【国】中国
【時代・年】北宋時代
【作者】徽宗
【ト書】「天山」の鑑蔵印がある
【所有者】個人蔵
【国宝指定日】1951.06.09