古河のこと
古河(こが)市は、埼玉県・栃木県・群馬県に隣接する茨城県の都市で、茨城県では人口5位(6位の土浦市とは僅差)です。 平成17年(2005年)9/12には、旧総和町と旧三和町とが合併して、新しい古河市になりました。 関東地方のほぼ中央に位置するようで「関東のへそ」を自称されているそうです。
古河の歴史はとても古く、数万年前と推測される旧石器時代の石器、縄文~弥生時代の土器、古墳と、各時代の出土品が見つかっています。 奈良~鎌倉時代にも古河と思われる地名が記録に残り、室町時代には関東足利市が城館を構えて古河公方の本拠地になったようです。
江戸時代に入ると古河藩が置かれ、奥羽街道や日光街道の宿場町として栄え、松平家や土井家など徳川の親藩や譜代大名が藩主をつとめました。 江戸時代に雪の結晶を観察して、本まで出版してしまったお殿様は、江戸後期の古河藩主だった「土井利位」です。
国宝参上。-鷹見泉石像と古河ゆかりの文化財-展
古河市合併15周年、古河歴史博物館開館30周年を記念した特別展となっていて、もしかすると新型コロナの流行がなければ周年の年にあたる2020年に開催されたのかもしれません。 制作時期が最も新しい国宝絵画として有名な、渡辺崋山による鷹見泉石像が目を引くチラシです。
この展覧会は、国立博物館収蔵品貸与促進事業を利用したようで、東京国立博物館からの古河にゆかりの文化財が何点か出展されるようです。 どんな「ゆかり」かと言うと、この展覧会の主役とも言える鷹見泉石は、古賀藩主土井家の家老を務めた人物です。 他に古河出身の人物は、最近特に人気が高い、幕末~明治の画家「河鍋暁斎」や、暁斎と同時代の女性文人画家「奥原晴湖」がいて、絵画作品が紹介されます。
出身ではありませんが、葛飾北斎が日蓮上人を描いた肉筆画は、古河の妙光寺に滞在している時に描いたもの。 他には、奥向きの調度品や雪の結晶を紹介した「雪華図説」など土井家に関する資料や、古河で発掘された土器まで、かなり幅広くにぎやかな展覧会になりそうです。
この展覧会で観られる国宝
鷹見泉石像 渡辺崋山筆[東京国立博物館]
最も新しく制作された国宝絵画ですが、1951年の第1回で国宝指定を受けています。 鷹見泉石は、土井利位が大塩平八郎の乱を平定した時も一緒に活躍したようで、泉石が晩年を過ごした武家屋敷が「鷹見泉石記念館」として残されています。 この絵画は明治時代まで古河にあったもので、実に83年ぶりの里帰りだそうです。
※この画像は「研究情報アーカイブズ」のものです。
展覧会 概要
期間:2021/1/9~2/7
休館:1/12(火)、1/22(金)
時間:9:00~17:00(入館は30分前まで)
料金:一般¥400、小中生¥100
古河歴史博物館 公式サイト