国宝『良弁僧正坐像』
東大寺の大仏殿から鐘楼の横を抜けて更に上、二月堂の手前に国宝『東大寺開山堂』があり、東大寺を開いた良弁僧正の木像の国宝『良弁僧正坐像』が安置されている。 通常は公開されておらず、毎年12/16の良弁忌のみ開扉され拝観できる。
良弁僧正が遷化(亡くなること)した246年後に初めて法要が行われ、『良弁僧正坐像』が安置されている開山堂はその時に建てられた。 この像も同時に作られたとされるが、像の様式からもう少し早い時期の作だと考えられる。
良弁僧正のこと
良弁僧正は、文楽や歌舞伎の演目「良弁杉由来」(ろうべんすぎのゆらい)で有名な僧で東大寺の開山となった。 幼いころに鷲にさらわれ、今でも開山堂と二月堂の間にある「良弁杉」にひっかかっていたのを育てられ僧になり、やがて母とも再開するという話だが、別人だという説もある。 相模国(神奈川県)生まれともいわれ、どちらの説でも「義淵」に師事したとなっている。
この国宝を観るには
毎年12/16の良弁忌に法要があり、その後は中に入って拝観可能。 開山堂はそれほど大きい堂宇ではなく、本像を納めた厨子が中央にあり、比較的近くで観ることができる。
12/16は、俊乗堂で『俊乗上人坐像』が、『法華堂(三月堂)』で『執金剛神立像』のご開帳もあり、東大寺の秘仏が一番多く公開される。
開山忌以外のご開帳
2023/10/28~11/19 良弁僧正 千二百五十年御遠忌法要で『法華堂(三月堂)』の論議台に安置
安置されているお堂も国宝です
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-168
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00007-00
【指定】彫刻
【指定名称】木造良弁僧正坐像(開山堂安置)
【ふりがな】もくぞうろうべんそうじょうざぞう
【員数】1躯
【国・時代】日本・平安時代
【所有者】東大寺
【国宝指定日】1951.06.09
鑑賞ログ
2017年12月
「春日若宮おん祭」を観に来た奈良で偶然拝観出来ました。 同日に拝観した「俊乗堂」の国宝『重源上人坐像』は7/5の俊乗忌にも開扉されるが、良弁像は年に一度の公開のみだそうです。 国宝が安置されているとは思えないこじんまりしたお堂の中で拝観することができました。
とてもどっしりとした風格の重厚な雰囲気の像で、普段は厨子の中なのでとても保存状態がよく、色もよく残っていました。