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国宝-工芸|舎利容器[唐招提寺/奈良]

国宝DB-工芸

国宝『舎利容器』

鑑真が唐から日本へもたらした3千粒の舎利は、径11.2cm×高4.5cmほどのペルシャ製のガラス壺「白瑠璃舎利壺」に入れられている。 壺は、唐時代の中国で作られたと考えられるレースのような「方円彩糸花網」でくるまれ、鎌倉~南北朝時代頃に日本で作られた金属製の舎利塔「金亀舎利塔」に納められている。 舎利壺・花網・舎利塔の3点が国宝に指定されている。

金亀舎利塔は、高さ92cmある舎利塔で、一番下にある首を伸ばした亀の背中に蓮華座が据えられ、舎利容器を納める部分は透かし彫りの細工をし、多宝塔のような円柱の上に宝形造りの屋根が乗せられる。 この亀は、鑑真が日本へ渡海する途中で嵐にあった時に、海に落ちた舎利を亀が甲羅に乗せて救ったという逸話からきている。

画像はこちらで見られます

唐招提寺の公式サイト内「伽藍と名宝」→「鼓楼」で画像が見られます

国宝『舎利容器』の内容

・白瑠璃舎利壺(鑑真和上将来舎利納入)
  附 後醍醐天皇御封花押、足利義満封花押、義教封
  附 後醍醐天皇御封花押、足利義満封花押、足利義教封
・方円彩糸花網
・金亀舎利塔

唐招提寺の国宝

金堂
講堂
鼓楼
宝蔵
経蔵
鑑真和上坐像』(御影堂)
盧舎那仏坐像』(金堂安置・脱活乾漆)
薬師如来立像』(金堂安置・木心乾漆)
千手観音立像』(金堂安置・木心乾漆)
梵天・帝釈天立像』(金堂安置・木造乾漆併用/彩色)
舎利容器』(白瑠璃舎利壺-鑑真和上将来舎利納入、方円彩糸花網、金亀舎利塔)
薬師如来・衆宝王菩薩・獅子吼菩薩・大自在王菩薩立像
二天王立像(持国天・増長天)』(講堂安置)

この国宝を観るには

毎年10/21~23に開かれる「釈迦念仏会」で公開される。 

釈迦念仏会

21・22日の昼の法要後には、金亀舎利塔を間近で拝見できる。
10/21:14:00~、19:00~
10/22:4:00~、14:00~、19:00~
10/23:4:00~、7:00~ 
※時間は2018年の情報です。

礼堂特別公開

日程:10/21~23
時間:9:00~16:00
公開の内容:国宝『金亀舎利塔』、重要文化財「釈迦如来立像」

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-526
【指定番号】00230
【種別】工芸品
【指定名称】舎利容器
【ふりがな】しゃりうようき
【国】中国・日本
【時代・年】唐時代・鎌倉時代
【寸法・重量】舎利壺:高4.5cm・径11.2cm、花網:径27.9cm、舎利塔:高93cm
【所有者】唐招提寺
【重文指定日】1959.06.27
【国宝指定日】1961.04.27
【伝来・他】『七大寺日記』(嘉承元年)、『七大寺巡礼私記』(保延六年)、『建久御巡礼記』(建久二年)、『招提千歳伝記巻下之三』(元禄十四年)
【品質・形状】(舎利壺)淡黄色を帯びた透明な白瑠璃の蕪形の壺。肩の張りが強く、角張り、口は筒状の長頸をなす。封のために口縁部の形状は不詳。底部はやや弧状に凹み、紙と見えるものを貼り付ける。壺中に仏舎利を納める。舎利は極めて小粒で、各々に黒点がある。口縁部は裂で覆い、銀紙を折りたたんで結び留める。
(花網)現状は外周の一部を残して欠失するが、ほぼ円形で、紺、茶緑、淡茶、白茶などの絹糸を中央の三重角形より順次外縁にからめて編み上げ、角形部には四十を数える横長四菱紋を透かし表す。
(舎利塔)亀を台としてその背に束を立て、蓮座を設け、花上に宝塔を置いて中に舎利壺を安置する装置になる。
 亀は四肢を張り、首を長く高くさいのべた姿で頭上に角をつくる。甲は花菱亀甲文を刻み、地に魚子を打ち、周囲に蓑毛を線刻し、底部は平で四個の丸鋲をつけ、これで全てを支えている。亀の背に単弁の伏蓮をおき、上に円筒形で中央を三条の紐で約した束を立て、上に八段魚鱗葺の蓮座を大きくつくる。舎利壺を覆うには宝塔形をもってするが、塔身の下層は唐草文透で、内部に天蓋、瓔珞を吊る。塔身下層上部には三重の菊座、小刻座を設ける。屋根は本瓦葺に模し、降棟は稚児棟をつくり、鬼瓦を彫る。宝珠火炎をつけ、相輪は規矩に則り、表面は刻文を施し、宝鎖、宝鐸を吊り下げてある。
【説明】鑑真和上将来の三千粒の舎利を奉加護する舎利塔で、大師過海の時、竜神が奪うところとなった舎利壺を金亀がこれを加護したとの伝説に基づいてつくられたかたちになる。源頼朝が中世舎利殿を再興した際にこの塔をつくったとも伝えられるが、亀台連座、壺請の蓮華などは極めて古式で、宝塔の透彫や軒廻り組物等も精技を凝らして荘厳し、鑑真将来の舎利をかざるにふさわしい技巧を尽くしている。

出典:国指定文化財等データベース一部抜
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